• ご予約・お問い合わせ:0798-65-4182(平日・祝日/9:30-19:00、土/18:30まで、日曜休診)
  • ご相談・お問い合わせ
  • 24時間受付:かんたんWEB予約
  • 24時間受付:かんたんLINE予約
西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科

history

  • 講演
  • セミナー

1D収録 「MTAセメントのグローバルスタンダード 〜材料特性、用途から適応症例と実際のテクニックを解説〜」

 

院長の小道がウェビナー用の収録を行いました。日曜日に撮影にご協力いただいたスタッフの皆様ありがとうございました!

〈院長コメント〉

本日は、「歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士・歯科助手向けの情報が集まる、日本最大級の専門メディア」である1Dの収録で東京へ出張していました。講演は「MTAセメントのグローバルスタンダード 〜材料特性、用途から適応症例と実際のテクニックを解説〜」という内容で90分ほど行いました。

MTAセメントとは、ケイ酸カルシウムを主成分としたセメントで、日本では2007年に覆髄剤として薬事承認され市販されております。それ以降、様々な新しい材料が発売され、それに伴って歯や歯髄を保存できる可能性が上がったと思っています。そこで今回の講義では、MTA系の材料について、前半では使用する前に最低限知っておくべき知識を、後半では実際の症例を見ながらMTAセメントの使い方について解説させていただきました。

前半では、知識としてMTAセメントの組成や特徴、そしてMTAセメントの開発の歴史について文献をベースに解説しました。MTAセメントが初めて発売されたのは1998年のProRoot MTA®で、その問題点を改善しようとして、これまでに様々な種類の製品が開発されてきました。ここで注意していただきたいのが、新しく出た製品が全ての点において初発のProRoot MTA®よりも優れているわけではないということです。新しく開発された製品は、ProRoot MTA®の問題点を確かに改良してはいるものの、それぞれの商品に特徴的な性質が備わっているので、用途によって使い分けが必要です。また、後発の新しい製品はもちろん歴史が浅いので、臨床成績という点においてはまだデータが不十分であることも意識しておく必要があります(もちろん安全性に配慮して作成されており、基本的には問題はないとされていますが)。

後半では、VPT(断髄)・穿孔封鎖・根管充填・外科的歯内療法への適応について症例を示しながら説明しました。MTAセメントは水分の多い環境でも封鎖性を発揮して、かつ硬組織誘導と生体親和性が高いため、非常に使い勝手のいい材料ですが、「ほとんどのMTAセメントは覆髄剤として認証されている=生活歯髄を覆う目的でのみ使用が許可されている」ことについて注意が必要です。また、どんなにいい材料を使ったとしても、術前診断や術中診断が間違っていれば、治療は成功しないということも重要なポイントです。

今回講演のお話を頂いてから、改めて文献や各製品の添付書を読むことで、MTAセメントへの理解をより深めることができました。明日からの診療でも、適切な症例にMTAセメントを使用することで、1本でも多くの歯の神経やはそのものを残していきたいですし、講義を聞いてくださった先生の「歯の保存」が少しでも役に立てば幸いです。講演のお話をいただいた1Dの皆様、日曜日の遅い時間まで収録をしてくださったスタッフの皆様、ありがとうございました!