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西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科

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WHITE CROSS 収録「エンド?ペリオ?分岐部ポケットの治療戦略」

 

 

院長の小道がWHITE CROSSでのウェビナー収録を東京で行いました。診療終わりの遅い時間までご参加いただいた先生方ありがとうございました!

〈院長コメント〉
WHITE CROSSというオンラインセミナーで講演をさせていただきました。今回は東京のWHITE CROSSの本社で収録を行ったのですが、スタジオや機材がかなり本格的で非常に緊張しながらの講演になりました。
講演のタイトルは「エンド?ペリオ?分岐部ポケットの治療戦略」で、複根歯の分岐部に深い歯周ポケットが残っているときにどのようなアプローチを行うべきか、に重点を置いて話をさせていただきました。臨床で分岐部に深いポケットがある症例に遭遇した際に疑うのは歯の破折か、中等度〜重度の歯周病か、もしくはエンドーペリオ病変か、どちらにせよHopelessと考えられることが多いのではないかと思います。実際、私が所属していた大阪大学歯学部附属病院の保存科にも、「分岐部に深いポケットがあり予後不良と判断しましたが、患者さんが保存を希望されたので精査をお願いします。」といった近隣の医院からの紹介が多かったように思います。今回の講義では私がこれまでに治療してきたエンドーペリオ病変の症例を提示しながら「分岐部に深いポケットがあるエンドーペリオ病変に対する診査診断と治療方針」をお伝えさせていただきました。
まず、エンドーペリオ病変の診査診断ですが、これに関してはエンド由来の病変と、ペリオ由来の病変がそれぞれどこまで進んでいるのかを考えることが大切です。特に、エンド由来の病変でポケットができている部分に歯周治療を行ってしまうと、残存している歯根膜を除去してしまい、結果的にその部分は歯槽骨が回復しないことになるので注意が必要です。エンド由来かペリオ由来かを鑑別する方法として、歯髄診査や歯周ポケット検査、CT撮影などを解説しました。ただし、「この所見があれば必ずこの病態」というような単純なものではなく、複数の診査から得られた情報を総合して診断を行うことが重要です。
次に治療方針についてですが、これはエンド由来の病変を治すことが優先事項となります。ペリオ単独の病態ではないことが判断できたら原則歯内療法から治療を始め、経過観察を経てポケットの治り具合を見て、その後の治療方針を決めていく、という流れです。このときの経過観察の期間についても文献で様々な意見が述べられていますが、各文献における治療対象となった歯の病態が異なっているので、その点にも触れながら私の見解を述べさせていただきました。治療方針についてはこれも診査診断と同じで、治療を進めていく中で治癒の状況を見ながら臨機応変に対応する必要があります。
最初90分の講義をお願いされたときは「そんなに長い時間はなせるのか?」と心配していましたが、最終的にはこれも伝えたい、この症例も見てほしいとどんどんスライドが増えていき、終わってみるとあっという間の90分でした。ただでさえエンドーペリオ病変はとっつきにくい分野なので、何度か講義を聞いて理解を深め、今後の臨床に活かして頂けますと幸いです。
診療終わりの遅い時間までご参加いただいた先生方、WHITE CROSSのスタッフの皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。