院長の小道がDentwave.comの 〜歯内療法専門医による自費根管治療の始め方〜 についてのウェビナー用収録を行いました。
〈院長コメント〉
歯科医療従事者のための総合情報サイトであるDentwave.com(デントウェーブドットコム)にお声掛けをいただき、ウェビナーの収録を行いました。コロナの影響で、対面の学会やセミナーが減少した反面、このようなWeb上で勉強できる環境が整ったことは、時間や場所を選ばずに自学できるため怪我の功名ではないかと思っています。
今回のウェビナーのテーマは 〜歯内療法専門医による自費根管治療の始め方〜 でした。ご存じの方も多いと思いますが、根管治療は保険適応内の治療なので自費でないとできない治療ではありません。ただし、保険で根管治療を行う際には使える材料に制限が出ることが多く、いわゆる難治性病変には対応ができないことも多いのが現状です。そういった内容も含めて、患者さんに「なぜ保険でもできる根管治療を自費で行う必要があるのか」を理解してもうためのポイントについて解説させていただきました。自費根管治療を始める際には、医院の設備(根管治療の三種の神器である “CT”、“マイクロスコープ”、“Ni-Tiファイル”、MTAセメントなどの保険外適応の材料)やカウンセリングのシステム、料金体系なども大事なのですが、実際には術者の技術や知識はもちろんのこと自費根管治療を行った歯の病気が再発した時のリカバリーシステムの用意なども必要になってきます。見落としがちな部分も含めて説明させていただきました。
この記事に1枚だけ講義に使用したスライドを載せておりますが、海外と比較すると日本は根管治療にかけることができる費用が非常に低いのが現状です。保険制度自体は皆が医療を受けやすくなっている素晴らしいシステムではあるのですが、歯科においては補綴(被せ物)や歯周病治療などの他の分野と比較して根管治療の保険点数が非常に低くなっていることが問題です。その結果、医院側も丁寧な根管治療を行うことができず、技術や器具が進歩した今でも根管治療の成功率は20年前から向上していません。
自費治療は保険治療よりも優れている、保険治療では根管治療は治せない、といったことを言うつもりはないですが、自費治療には保険治療ではカバーできない利点がたくさんあるのも事実なので、ぜひ一人でも多くの患者さんの選択肢の1つに入れてもらえると幸いです。
冒頭で「Webで勉強できる環境が整ったのはいいこと」と述べさせていただきましたが、自分が受けるときはありがたいのですが自分が話をする側の際にはWebでは少しやりにくいのが正直なところです(話をしている時の受講者の反応が分かりづらいのが難しい点で、今回は録画したものを後日配信という形式だったのでさらに間のとり方や話すテンポなどが難しかったです)。