エンドセミナー 第1期 Day5
院長の小道がセミナーの講演を行いました。この日は「ドクターコミチのエンドドンティクス年間コース第1期(全5回)」の最終日でした。!
1年間ご参加いただいた先生方ありがとうございました!
セミナーDay 5:1日の流れ
午前中:コロナルリーケージ / 支台築造、難治性病変、外科的歯内療法
午後:マイクロスコープを用いた外科的歯内療法(歯根尖切除術)の実習
〈院長コメント〉
私が講師を務めさせていただく「ドクターコミチのエンドドンティクス年間コース第1期 Day5」で講義を行いました。座学はコロナルリーケージ / 支台築造、難治性病変、外科的歯内療法についてでした。コロナルリーケージとは主に歯冠側からの感染(これとは対象的に、根尖側からの感染のことをアピカルリーケージと呼びます)のことで、根管治療の後に行われる支台築造(コア築造とも呼ばれ、コンポジットレジンで土台を作る処置)の注意点について説明しました。支台築造は根管治療ではないのですが、いかに根管治療を丁寧に行ってもこの部分が甘いと感染が起こり、結果的に長期的な予後が望めないためセミナーの内容に入れさせていただきました。明日からの診療で今日の内容を留意してもらえると嬉しいです。
難治性病変、外科的歯内療法では、根管治療ではどうしても治らない歯があることと、その歯に対して行うことができる外科処置について解説しました。外科処置は根管治療の流れの中で「最後の手段」として扱われることが多いですが、外科処置が選択肢にあるだけで患者さんへのコンサルテーションが変わり、また治療における精神的な余裕が生まれます(根管治療のみでは治る見込みがなさそうな歯に対して、根管治療を切り上げて外科処置へ移行する選択肢が取れるようになります)。なかなか最初の1回が大変だとは思いますが、ぜひ臨床に取り入れてみてください。
午後の実習ではこれまで使った透明根管の模型を石膏に埋めて擬似的な根尖病変を作成し、マイクロスコープを見ながらその病変ごと歯根の先端を切除する(=歯根端切除術)実習を行いました。ほとんどの先生がマイクロスコープを使ったことがなく、最初は視野を合わせることやマイクロスコープを見ながらの器具操作に慣れない様子でしたが、実習が終わる頃にはマイクロスコープを使いこなせていました。
昨年10月から始まった年間セミナーも、早いもので本日最終日を迎えました。根管治療は抽象的な部分や感覚的な部分が多く、なかなか模型実習もできないために日常の臨床で迷いながら治療されている先生も多いのではないかと思います。私が大阪大学の保存科を始め、これまでの臨床で学んだことを少しでもお伝えすることができたならば幸いです。1年間お疲れ様でした!!!