【小児矯正】一期治療と二期治療とは？治療の目的や内容について詳しく解説！

こんにちは。兵庫県西宮市にある西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。

こどもの歯並びを早い時期からきれいにしたいと思われる一方で「いつから始めたらいいの？」「治療の内容は？」と疑問をおもちの親御さんもおられるでしょう。

そこで今回は、一期治療と二期治療の目的や内容など基本知識を解説します。メリットやデメリット、費用についてもご紹介しますので、小児矯正を検討している親御さんの参考になれば幸いです。

こどもの歯並びが悪くなる原因

こどもの歯並びが悪くなる原因には、日頃の癖が影響していることがあります。

日頃の癖には以下が挙げられます。

・指しゃぶりをする

・舌で前歯を押す

・口呼吸

詳しく解説していきます。

指しゃぶり

指をしゃぶる癖があると歯並びが悪くなる原因になります。指で上の前歯を押し上げたり、下の前歯を押し下げたりしてしまうことで、出っ歯やすきっ歯を引き起こしてしまうのです。また、指を強く吸うことで奥歯が内側に強く押され、歯列のアーチが狭くなり、歯並びが悪くなります。

指しゃぶりによる歯を押す力はかなり強いので、歯並びに影響しやすく、注意が必要です。

舌で前歯を押す

舌は、上顎のくぼみ（上の前歯の後ろ当たり）にあるのが自然な状態です。

しかし、食べ物を食べている時や安静時など、舌で前歯の裏側から押す癖があるお子さんがいらっしゃいます。この癖があると、舌で常に歯を押している状態なので、受け口や上下の歯が噛み合わない開口などの原因になります。

口呼吸

口呼吸を続けると、舌の位置が下がってしまいます。舌が正しい位置にないことで、受け口の原因の一つになります。

また、鼻呼吸と違い、細菌やウイルスが喉に直接入ってしまうので、風邪やインフルエンザなど感染症にかかりやすくなってしまうので、注意が必要です。

一期治療とは

小児矯正は、一期と二期に分けられます。まず、一期治療の目的やメリット・デメリットなど、基本知識を理解しましょう。

治療目的

こどもの歯並びが悪くなる原因はさまざまですが、大きな要因としてあげられるのは「顎の骨が狭いこと」です。上下の顎の骨が狭くバランスが悪いことで、本来永久歯が生えてくるところから生えてこず、歯並びが悪くなってしまいます。

一期治療では、顎の骨の成長を利用して顎の骨の形やバランスを整え、歯がきれいに生えてくるスペースを確保できるようにします。歯並びを整える前段階である、理想的な歯並びが作れるように土台を整える治療といえるでしょう。

開始時期

乳歯と永久歯が両方とも生えている時期から治療を開始します。症例にもよりますが、3～12歳の間に始めることが多いでしょう。

治療期間

治療期間の目安は、症例によって異なりますが1~3年です。

一期治療が終わったあとは、顎の成長や生え変わりを診て、経過観察していきます。永久歯が生え揃うのを待ち、二期治療が必要かどうか判断します。

メリット

一期治療のメリットは、以下の3つです。

• 治療期間を短縮できる
• 抜歯の可能性を減らせる
• 将来的な虫歯のリスクを減らせる

こどものころから矯正を始めることで、大人になってから矯正を始めるよりも治療期間を短縮できます。一期治療で顎のバランスを整え、永久歯が生えるためのスペースを確保することで、歯列を整える二期治療が早く終わることがあります。

また、正常な位置に永久歯が生えるスペースがあるので、抜歯をしたり歯を削ったりしてスペースを確保する必要がありません。歯並びがきれいに並ぶと歯磨きしやすいため、将来的な虫歯や歯周病のリスクを減らせるのもメリットの一つです。

デメリット

次に、一期治療のデメリットについて解説します。一期治療のデメリットは、以下の3つです。

• 治療期間が長くなることもある
• 矯正器具によって虫歯になるリスクがある
• 本人の努力が必要不可欠

顎の成長は大体15歳前後で止まります。

一期治療では、顎の成長を診ながら治療をすすめていくため、場合によっては治療期間が長くかかることもあるでしょう。

また、矯正器具によっては虫歯になりやすかったり、本人の努力が必要だったりする場合があります。固定式の矯正器具は、食べかすが付きやすく歯磨きも難しいので、虫歯になりやすいため注意が必要です。取り外し式の矯正器具の場合、固定式よりも歯磨きがしやすいメリットはあるものの、付けることが億劫になり装着時間を守れないことがあります。

こどもの矯正治療は、本人の努力が必要不可欠といえるでしょう。

二期治療とは

続いて、二期治療の目的やメリット・デメリットなどを見ていきましょう。

治療目的

二期治療の目的は「生え揃った永久歯をきれいに並べ、噛み合わせを整えること」です。

固定式のワイヤーや取り外し式のマウスピースなどを使って矯正します。小児矯正の場合、一期治療を行ってから二期治療を始めると、歯の生えるスペースが確保されているので、きれいな歯並びを作れるでしょう。

治療期間

治療期間の目安は、症例によって異なりますが、およそ1~3年です。

先に一期治療を行っている場合は、永久歯を並べるスペースが確保されているので治療期間が短縮されるケースがあります。

開始時期

二期治療の開始時期の目安は、永久歯がすべて生え揃う12~14歳ごろです。

メリット

二期治療のメリットは、以下の3つです。

• 将来的な虫歯のリスクを減らせる
• 大人になってから矯正する必要性が減る
• 歯並びを改善することでコンプレックスを解消できる

先に一期治療を行ってから二期治療を始めることで、永久歯を並べるスペースが確保されているので、きれいな歯並びを作れます。こどもの内に歯並びが整うことで、大人になってから矯正する必要性が低くなるでしょう。

また、顎のバランスや歯並び、噛み合わせを整えることで、顔のゆがみや呼吸、姿勢など、正しい発育を促すこともできます。小児矯正は、歯並びだけでなく健康や発育にもよい影響を及ぼすこともメリットの一つです。

デメリット

次に、二期治療のデメリットについて解説します。二期治療のデメリットは、以下の3つです。

• 抜歯が必要になることがある
• 矯正器具によっては虫歯になるリスクがある
• 違和感や痛みでストレスになる

一期治療を受けずに二期治療を始める場合、顎の成長を利用できないので歯を並べるスペースがない場合があるでしょう。このような場合、歯を並べるスペースを確保するために、健康な歯を抜くケースがあります。健康な歯を抜くのはもったいないので、歯を並べるスペースがない場合は一期治療から始めるのがよいでしょう。

二期治療では、歯に少しずつ力をかけて動かしていきます。徐々に慣れていきますが、痛みを感じることがあります。また、表側から見えるワイヤーの矯正器具を使用している場合、見た目が気になって思いっきり笑うことを避けてしまう可能性がないとも言い切れません。

こどもにとって、痛みや見た目の違和感などは大きなストレスになることもあるでしょう。

一期治療だけで治療が終わるケースはある？

こどもの矯正治療では、一期治療と二期治療のどちらも必要な場合が多いです。

しかし、歯並びの悪さが軽度な場合や顎の骨が成長し十分に改善できた場合などは、一期治療で終わることもあります。歯が生えてくるスペースが少なく歯が大きい場合などは、ほとんど二期治療が必要と考えてよいでしょう。

一期治療だけ受けても確実にきれいな歯並びになるわけではありません。きれいな歯並びや噛み合わせを手に入れるためには、二期治療をうけるのがおすすめです。また、自己判断で治療を終了せず、必ず担当医に相談しましょう。

こどもの矯正治療にかかる費用と保険適用

顎変形症など、先天的な病気の場合は保険適応になりますが、こどもの矯正治療は基本的に自費診療です。

矯正治療にかかる費用の目安は、以下のとおりです。

• 一期治療：300,000~400,000万円
• 二期治療：500,000~900,000万円

「保険適応でないなら二期治療だけ受けるほうが安いのでは？」と考える方もいらっしゃるでしょう。

しかし、一期治療を受けることにより、二期治療だけよりも治療期間を短縮でき、結果的に治療費を抑えられるのです。また、歯を並べるスペースがあることで、歯列が整いやすく、抜歯のリスクを下げるなどメリットがたくさんあります。

早期から治療を始めることで、費用だけでなく身体的負担も軽減できます。こどもの矯正治療を考えている場合は、早めに治療を始めるのがよいでしょう。

患者様の声

まとめ

今回は、一期治療と二期治療の目的や内容、それぞれのメリットやデメリット、費用について解説しました。

こどもの歯並びが悪くなる原因は、指しゃぶりや鼻呼吸、舌で前歯を押すなど、日頃の癖によるものが非常に多いです。一期から矯正治療を始めることで、永久歯を並べるスペースが確保され、きれいな歯並びを作れます。また、抜歯が必要ないことも多く、将来的な虫歯のリスクを下げるので、歯の健康を守ることにもつながるでしょう。こどもの矯正治療を考えている親御さんは、今回紹介した基本知識を踏まえて、歯科医師に相談してみましょう。

こどもの歯並びに悩まれている場合や矯正を検討中の方は、兵庫県西宮市にある西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。

小道 俊吾