こんにちは。兵庫県西宮市にある医療法人社団 西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
口腔内の良性腫瘍は、口の中に発生する腫瘍であり、命に関わるリスクは低いものの日常生活に支障をきたすことがあります。腫瘍にはさまざまな種類があり、発生する組織や場所によって症状が異なります。
この記事では、口腔内の良性腫瘍の種類や症状、原因をわかりやすく解説し、治療もご紹介します。
目次
口腔内の良性腫瘍とは
口腔内の良性腫瘍は、口の中に発生する腫瘍の一種であり、一般的に命に関わるリスクは低いとされています。悪性腫瘍(がん)とは異なり、周囲の組織に浸潤したり転移したりすることがなく、ゆっくりと成長するのが特徴です。
良性腫瘍と悪性腫瘍は、その性質や治療方針において大きく異なります。
<良性腫瘍と悪性腫瘍の違い>
種類 |
良性腫瘍 |
悪性腫瘍 |
---|---|---|
成長の速さ |
・ゆっくりと成長する |
・非常に速いスピードで成長する |
浸潤性 |
・周囲の組織に浸潤しない |
・周囲の組織に浸潤する |
転移の有無 |
・転移することはない |
・血液やリンパの流れを介して他の部位に転移する |
治療の難易度 |
・外科的切除で根治することが多い |
・外科的切除では治らないこともある |
口腔内に良性腫瘍があるときの症状
口腔内に発生する良性腫瘍は、初期段階では無症状で気づかれにくいですが、腫瘍が大きくなるとさまざまな症状が現れることがあります。以下は、口腔内の良性腫瘍が引き起こす可能性のある代表的な症状です。
口の中のしこりや腫れ
口腔内の良性腫瘍は、頬の内側や舌、歯茎、唇の内側など、さまざまな場所にしこりや腫れとして現れます。触れると硬いものや柔らかいものがあり、腫瘍の種類によって異なります。
初期段階では痛みを伴わないことが多いですが、腫瘍が大きくなると違和感を覚える可能性があります。
痛みや違和感
腫瘍が成長すると、口の中に異物感や違和感が生じることがあります。特に、咀嚼や会話時にしこりが邪魔になったり、腫瘍が擦れて痛みを引き起こすことがあります。
痛みは必ずしも発生するわけではありませんが、腫瘍が大きくなったり感染を伴ったりする場合には痛みを感じやすいです。
出血や潰瘍
一部の良性腫瘍は、表面が傷つくことで出血したり潰瘍が形成されたりすることがあります。特に、血管腫のように血管の異常増殖が原因の腫瘍は、軽い刺激で出血しやすいです。
また、口内炎のように見える場合があり、痛みや不快感を伴うことがあります。
嚥下や発音の問題
腫瘍が舌や喉に近い場所に発生すると、食べ物や飲み物を飲み込む際に支障が出ることがあります。
また、発音しづらくなることも多いです。特に、舌に大きな腫瘍がある場合は言葉を明瞭に発音することが難しくなります。
見た目の変化
口腔内の良性腫瘍は、見た目に変化をもたらすことがあります。腫瘍が大きくなると、唇や頬の内側が目立つように腫れたり、歯茎の形が変わったりすることがあります。
口腔内の良性腫瘍の種類
口腔内に発生する良性腫瘍にはさまざまな種類があり、それぞれ発生する組織や特徴が異なります。以下に、代表的な口腔内の良性腫瘍の種類について解説します。
線維腫
線維腫は、結合組織の増殖によってできる腫瘍で、口腔粘膜に硬いしこりとして現れます。通常は痛みを伴わず、頬、舌、歯茎などにできやすいです。
歯や入れ歯による慢性的な刺激が原因となることが多く、外科的切除によって治療が可能です。
血管腫
血管腫は、血管の異常増殖によって発生する腫瘍で、赤や紫色の柔らかいしこりとして見られます。舌や唇、頬の内側にできることが多く、触れると出血しやすいのが特徴です。
大きな血管腫の場合は日常生活に支障をきたすことがあるため、外科的治療や硬化療法が行われます。
脂肪腫
脂肪腫は、脂肪細胞の増殖によってできる柔らかい腫瘍で、通常は痛みを伴わず、口腔内のどの部分にも発生する可能性があります。口の中では見つかりにくいですが、外科的に摘出することで治療が可能です。
神経鞘腫
神経鞘腫は、神経の鞘(シュワン細胞)から発生する腫瘍です。主に舌や唇、口腔底に発生し、痛みや違和感を伴うことがあります。腫瘍が大きくなると、発音や嚥下に支障が出ることがあります。
骨腫
骨腫は、顎の骨の表面に発生する良性の骨腫瘍で、通常は痛みがなくゆっくりと成長します。大きな骨腫は顎の変形を引き起こし、嚥下や発音に支障をきたすことがあります。
粘液嚢胞
粘液嚢胞は、唾液腺の分泌管が閉塞して唾液がたまり、粘膜下にできる嚢胞です。特に唇の内側にできることが多く、透明や青白い外見をしています。
通常は無痛ですが、嚢胞が破裂したり再発したりすることがあるため、外科的に摘出するのが一般的です。
口腔内に良性腫瘍ができる原因
口腔内の良性腫瘍はさまざまな要因によって発生しますが、明確な原因が特定されないことも多くあります。以下に、良性腫瘍ができる一般的な原因やリスク要因について説明します。
慢性的な刺激
口腔内の良性腫瘍は、歯や入れ歯などによる慢性的な物理的刺激が原因となることがあります。たとえば、頬や舌、歯茎に繰り返し摩擦や圧力がかかると、組織が過剰に反応し、腫瘍が形成されることがあります。
遺伝的要因
遺伝的要因も、口腔内の良性腫瘍ができる原因の一つです。特定の遺伝的素因が関与することで、腫瘍の発生リスクが高まる可能性があります。
ホルモンの変化
ホルモンバランスの変化も、良性腫瘍の発生に関与することがあります。特に妊娠中や更年期など、ホルモンの分泌が大きく変わる時期には、血管腫や線維腫の発生リスクが高まることが知られています。
感染や炎症
長期間続く感染や炎症が刺激となり、腫瘍が発生することがあります。慢性的な口内炎や歯周病などの口腔内感染症が、腫瘍のリスクを高める場合があります。
外傷
口腔内の外傷も、良性腫瘍の原因になることがあります。転倒や事故などによる外傷が治癒する際に、組織が過剰に増殖して腫瘍化するのです。
免疫の異常
免疫機能の異常も、腫瘍の原因となることがあります。免疫力が低下すると、体内の細胞増殖が適切に制御されず、異常な増殖が起こる可能性があります。
口腔内の良性腫瘍の治療方法
良性腫瘍は基本的に命に直接関わることはありませんが、放置すると腫瘍が大きくなったり、感染や潰瘍のリスクが高まったりします。そのため、治療が必要な場合もあります。適切な治療を受ければ、再発リスクの低減や症状の改善が期待できます。
以下は、口腔内の良性腫瘍に対する代表的な治療方法です。
外科的切除
最も一般的な治療法は、外科的切除です。腫瘍が大きくなる前に摘出することで、再発リスクを抑えられます。手術は通常、局所麻酔下で行われ、腫瘍とその周囲の一部組織を切除することで、再発リスクをさらに低減します。
特に、線維腫や血管腫、脂肪腫などの腫瘍には外科的切除が有効です。
硬化療法
血管腫などの特定の腫瘍には、硬化療法が選択されることがあります。硬化療法では、腫瘍内に硬化剤を注入して血管を収縮させ、腫瘍のサイズを縮小させます。
外科的切除が難しい部位や、手術によるリスクが高い場合に選択されます。
経過観察
症状が軽度で腫瘍が小さい場合、経過観察を行うことがあります。特に、成長が非常に遅い良性の腫瘍については、定期的な検診で状態を確認し、必要に応じて治療を検討します。腫瘍が大きくなる傾向が見られる場合は、早期に外科的治療に切り替えることが推奨されます。
患者様の声
当院に通ってくださっている患者様のお声を紹介いたします。
治療を受けた方の口コミ①
皆さん優しいスタッフの方ばかりです。3回目の来院ですが、治療も痛くなく安心して受けられます。
今までしてこなかった検査も出来て自分の歯の状態をチェック出来てよかったです。
治療を受けた方の口コミ②
歯科医師さんも助手さんも受付さんも、皆さん優しく丁寧です。カウンセリングもこちらの納得のいくまでたいへん丁寧に行ってくださいます。
とても良いクリニックさんです。
まとめ
口腔内の良性腫瘍は、命に関わるリスクは低いものの、適切な診断と治療が必要です。代表的な種類には、結合組織の増殖による線維腫、血管の異常増殖による血管腫、脂肪細胞の増殖でできる脂肪腫などがあります。
発生原因には、慢性的な刺激や外傷、遺伝的要因、ホルモンバランスの変化などが関与します。
治療法としては、主に外科的切除が行われます。硬化療法や経過観察が選ばれることもあります。
腫瘍を放置すると、増大や感染、潰瘍のリスクが高まるため、早期の対処が重要です。腫瘍が疑われる場合は、早めに歯科医師に相談し適切な治療を受けることが大切です。
良性腫瘍の治療を検討されている方は、兵庫県西宮市にある医療法人社団 西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。
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小道俊吾