こんにちは。兵庫県西宮市にある医療法人社団 西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
こどもの口腔内の悩みといえば、虫歯や歯並び、口周りの癖と考える方もいるでしょう。
しかし、実際はそれだけではなく、歯肉が腫れたり血が出たりと、歯肉炎を発症しているケースは少なくありません。4割程度のこどもが歯肉炎になっているともいわれています。
こどもの歯肉炎にはどのようなものがあるのでしょうか。歯肉炎の原因と症状を解説しながら、自分で行える予防方法についてもご紹介します。
もくじ
歯肉炎とは?
歯肉炎とは、歯茎が炎症を起こし、赤くなったり、出血したりする状態のことを指します。歯磨きをした際だけではなく、硬いものを食べた時やフロスをした時にも出血がみられます。
歯肉炎は、歯周組織が破壊されることで歯を失う原因となる歯周病の初期症状です。歯周病というと大人がかかるものと思われがちですが、歯肉炎にかかっている小学生、中学生は少なくありません。歯肉炎にかかると、歯周病になる可能性が高まります。
そのため、お子さまも虫歯予防だけではなく、歯肉炎予防も意識しなければなりません。セルフケアやメンテナンスを行うことが大切です。
こどもの歯肉炎の種類
成長期のお子さまの歯肉炎には、いくつかの種類があります。
萌出性歯肉炎
乳歯が生えはじめた際や、永久歯への生え変わりの際に起こる歯肉炎を、萌出性歯肉炎といいます。歯が生える時は一部分が歯肉に覆われた状態になりますが、そこに汚れが溜まることで歯肉炎になることがあります。
萌出性歯肉炎は、歯が完全に生えると自然と治ることが多いです。
しかし、歯磨きの際に痛みを感じることもあります。自分ではセルフケアが難しい場合は、保護者の方による仕上げ磨きを徹底しましょう。
不潔性歯肉炎
こどもの歯肉炎で最も多いのは、不潔性歯肉炎です。しっかり歯磨きができておらず口腔内に細菌が増加した状態で、歯茎を傷つけてしまった際に感染します。
こどもの場合、歯磨きの力加減がまだわかっていないケースは少なくありません。力を入れ過ぎて歯茎を傷つけることがあるので、不潔性歯肉炎になりやすいといえます。
丁寧なセルフケアだけではなく、定期的に歯科医院のメンテナンスを受けて、歯垢や歯石を除去することが大切です。
思春期性歯肉炎
小学校の高学年から中学生、10~15歳頃に見られるのが思春期性歯肉炎です。この時期は、ホルモンバランスが乱れることで身体的な変化が大きく現れます。生活にも大きな変化があるでしょう。
その影響から、歯茎の腫れや出血が起こりやすくなります。思春期性歯肉炎の場合は、歯磨きをしっかり行っていても歯茎が腫れてしまうことがあります。
また、男の子よりも女の子に起こりやすい歯肉炎です。
ホルモンバランスが原因であるため、生活習慣を整え、栄養バランスのよい食事を摂るようにしましょう。
若年性歯肉炎
こどもの時に歯肉炎にかかった際に、適切なケアを行わず放置してしまった場合、若年性歯肉炎になることがあります。侵襲性歯肉炎とも呼ばれており、急速に進行することが大きな特徴です。
若年性歯肉炎が疑われる場合は、できる限り早めに歯科医院に相談しましょう。
こどもの歯肉炎をそのままにするリスク
こどもの歯肉炎は、成長と共に自然と治るケースもあります。
しかし、不潔性歯肉炎や若年性歯肉炎の場合は、放置していると悪化してしまうことも少なくありません。
歯肉は歯を支える歯槽骨(しそうこつ)という骨を覆っており、歯の半分以上は歯槽骨に埋まっています。歯肉の炎症である歯肉炎が進行すると、歯槽骨を損なう歯周炎に移行し、最終的には歯が抜け落ちてしまうこともあります。
歯を失った際の治療としてインプラントがありますが、歯槽骨が損なわれていると、インプラントを埋入する前に骨造成が必要になることがあります。
歯周炎の進行を止めることは可能ですが、以前の状態に戻すことはできません。また、歯周炎は自覚症状がない状態で進行するので、気づいた時にはかなり悪化していることもあります。
そのため、歯周炎の段階で適切なケアを行う必要があります。
こどもの歯肉炎を予防する方法
こどもの歯肉炎は、大人の歯肉炎と同様に予防することが大切です。歯肉炎の予防方法をお伝えします。
正しい歯磨きの方法を学び、仕上げ磨きをする
歯肉炎は、口腔内に残った汚れによって進行します。そのため、日常的なセルフケアが非常に大切です。
こどもの場合、正しい歯磨きの方法がわかっていないため、磨き残しが多いです。保護者の方がこどもの歯磨きを確認するか、歯科医院のブラッシング指導を利用するとよいでしょう。
また、小さなこどもの場合は、磨き残しを防ぐために仕上げ磨きを行うようにしましょう。
デンタルフロスや歯間ブラシを使う
歯ブラシだけでは届きにくく、磨き残しやすい場所があります。磨き残しがそのままになってしまわないように、こどもでもデンタルフロスや歯間ブラシを使用することが重要です。
こうしたグッズを使い慣れていない場合、歯茎を傷つけることも考えられます。はじめは保護者の方が仕上げ磨きの際に使用するようにしましょう。
定期検診に通う
歯科医院では、歯肉炎を予防するためにブラッシング指導を行い、歯垢や歯石の除去もします。成長期のこどもの口腔内は変化しやすいので、3~6か月に一度は虫歯がない場合でも通いましょう。
歯肉炎のリスクをこどもにも教える
親の目が届く場所では予防できても、学校や外出先などではしっかり歯磨きができていないことがあります。小さいうちに言い聞かせるのは難しいかもしれませんが、ある程度大きくなれば、こども自身にも歯肉炎のリスクを理解できるように伝えましょう。
唾液の分泌を促す
唾液には、お口の中の食べかすや細菌などを洗い流す作用があります。できる限り唾液の分泌を促すように、噛み応えのある食べ物を食べるとよいでしょう。食後にキシリトールを含むガムを噛むといったことも、歯肉炎の予防につながります。
矯正治療を受ける
歯並びが悪いと歯磨きがしにくいため、歯肉炎になりやすい傾向があります。そのため、矯正治療は歯肉炎予防につながるといえます。
ただし、矯正治療の装置をつけることで治療中は歯が磨きにくくなるので、その点は注意しましょう。
生活習慣を整え、食生活に気をつける
こどもの歯肉炎は、ホルモンバランスが原因の場合があります。そのため、十分な睡眠をとり、栄養バランスのよい食事を心がけることも大切です。
身体の健康を保ち、免疫力を高めることで、歯肉炎の発症や進行を抑えられます。
異変を感じた際に放置しない
歯茎が腫れている、痛みを感じるといった症状がある時は、自己判断せずにできる限り早めに歯科医院に相談しましょう。
患者様の声
息子、娘の治療でお世話になっています。院内は清潔感がありとてもおしゃれでありながら、子どもと過ごしやすい空間になっておりとても居心地が良いです。院長先生、スタッフの方々もとても優しく親身で治療も丁寧にしてくださいました。娘も初めての歯医者さんデビュー(虫歯治療)どうだった?と感想を聞いてみると「たのしかった!」と、まさかの言葉。終始子どもが退屈しないように楽しませてくださいました。スタッフの方も歯磨きの仕方などとても丁寧に説明してくださり、私自身もとても勉強になっています。お陰様で安心して通えますし、今後もお世話になります。
本日息子2人を連れて来院させていただきました。長男の虫歯がひどく、前に近隣の口腔外科で全身麻酔をしてからの治療と言われたのですが、驚くことに長男が泣くこともせず、麻酔の液剤が以前痛くて暴れていたのにそれも全くなく、技術もすごいんだろうなと思いました。終始褒めてくださり、とても気持ちの良い対応で、次男も怖がりで今回も怖がっていたのですが嫌な顔ひとつせず検診もしてくださいました。院長先生も、優しくすごく丁寧な説明で分かりやすく私自身も虫歯がひどく口を見せるのが恥ずかしいと思っていましたが、ここなら家族全員でお世話になりたいと思えました。スタッフの皆様も優しく、子供達が「痛くなかったよ。優しかったー!」と言っていました。子供の扱いにも慣れていて、自分が不慣れだなと気付かされるくらいでした。これからもよろしくお願いします!
まとめ
歯茎が赤く腫れたり出血したり、痛みが生じたりする歯肉炎は、こどもにも多くみられます。歯周病は大人だけのものと思う方もいますが、歯肉炎を放置すると歯周病につながります。
歯肉炎の予防には、ご自宅でのセルフケアに加えて歯科医院での定期検診やメンテナンスが欠かせません。定期検診では、お子さま一人ひとりに合わせたブラッシング方法やデンタルグッズの紹介も行います。
こどものうちから口腔内の健康を維持するために、予防のための通院を習慣づけましょう。
こどもの歯肉炎が気になる方は、兵庫県西宮市にある医療法人社団 西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。
小道俊吾