こんにちは。兵庫県西宮市にある医療法人社団 西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
物を噛むと顎が痛むなどの症状にお悩みの方はいませんか。顎が痛むのは、顎関節症が原因かもしれません。顎関節症になると、日常生活で行う食事や会話などにも支障が出る場合があるでしょう。
今回は、顎関節症の原因や治療法、予防法について詳しく解説します。
もくじ
噛むと顎が痛いときに考えられる疾患
噛むと顎が痛いときに考えられる代表的な疾患として挙げられるのは、顎関節症です。顎関節症は顎関節の炎症や物を噛むときに使う咀嚼筋の痛み、関節雑音など、顎関節で起こる障害全般のことを指します。
顎関節とは下顎の骨と頭蓋骨を結び付ける関節のことで、耳穴の手前に位置します。顎関節周囲には咀嚼筋と関節円板があり、顎関節周囲の組織に何らかの障害が起こることで顎関節症を生じるのです。
関節円板とは、顎の骨と頭蓋骨の間にあるコラーゲンでできたクッションのようなものです。関節円板が下顎と一緒に移動することで、口の開閉時に骨と骨が直接擦りあうことを防ぎ、顎関節に負担がかからないようにしています。
顎関節症の症状
顎関節症は、軽度から重度のものまで合わせると2人に1人は経験するといわれている一般的な病気です。顎関節症には、特徴的な3つの症状があります。顎関節症の3つの症状の内1つ以上に当てはまり、類似した症状のあるほかの疾患ではないと認められると、顎関節症と診断されます。
顎関節における症状は、ほかの疾患でも起きる可能性が高いです。例えば、親知らず付近で炎症が起きている場合や顎関節付近に腫瘍ができた場合にも、開口障害や痛みを生じるでしょう。そのため、顎関節症の症状が長引いているときや、ほかの症状も併発しているときは、顎関節症以外の疾患も視野に入れる必要があるでしょう。
顎関節症の特徴的な3つの症状は、以下のとおりです。
口を大きく開けられない
口を開けたときに、人差し指と中指、薬指の3本を縦にして入るのが、通常の状態です。口を大きく開けても指3本が入らない場合、開口障害が起きています。開口障害の原因は咀嚼筋や顎関節、関節円板のいずれかにある場合が多いです。
突然口が開かなくなる症状は、関節円板がずれて下顎の動きが制限されたことで起こります。
口を開くときや噛むときに痛む
口の開閉時や物を噛むときなど、下顎を動かした際に痛む症状です。顎関節症の痛みの原因は、顎関節によるものと筋肉によるものに分けられます。
関節痛は、顎関節付近の軟組織が何らかの理由で炎症を起こした状態で下顎が動くと、刺激によって痛みが出ます。筋痛は、物を噛むときに使う咀嚼筋に痛みが生じ、筋肉を動かすことで痛みが強くなる症状です。
口の開閉時にカクカクと音が鳴る
関節円板がずれて下顎に引っかかることで、顎を動かしたときに音が鳴ります。音が鳴るだけで痛みなどの症状を伴わない場合は、基本的に治療せずに様子をみて問題ありません。
顎関節症の原因
顎関節症にはさまざまな原因があり、複数の原因が複雑に絡み合って起こる場合もあります。ここでは、代表的な原因をご紹介します。
悪い噛み合わせ
噛み合わせが悪いと顎に余計な負担がかかるため、顎関節症になりやすいです。特に出っ歯、受け口、ガタガタした歯並びの叢生などの歯列不正がある方は、噛み合わせも悪い可能性が高いため、注意しましょう。
歯ぎしり・食いしばり
無意識に行う歯ぎしりや食いしばりでは、通常、物を噛むときの5倍以上の力が歯や顎にかかっています。就寝中に歯ぎしりをする方や集中したときに食いしばる癖がある方は、歯や顎に重苦しさを感じたことがあるでしょう。
歯ぎしりも食いしばりも歯だけでなく、顎に大きな負担をかけるので、顎関節症を引き起こす要因になります。
頬杖や猫背、スマホ首などの日常的な癖
顎や骨格が歪むような頬杖や猫背などの癖は、顎関節症を引き起こすおそれがあります。
頬杖は顎に横方向からの力が加わるため、下顎が歪む原因です。猫背やスマホ首などは前傾姿勢になるため、重力で下顎が本来あるべき位置ではないところにずれて、顎関節に負担がかかります。
顎関節症の治療法
顎関節症の症状は、軽度であれば自然に回復する方も多いです。
しかし、我慢して症状が悪化して回復まで時間がかかるケースもあります。食事や日常生活に支障があるような場合は、我慢せずに治療を受けましょう。
顎関節症の主な治療法をご紹介します。
スプリント療法
スプリント(マウスピース)を装着して、顎関節への負担を軽減する治療法です。
噛み合わせや歯ぎしり、食いしばりで顎に負担がかかるのは、噛み合っている一部の歯に力が集まるからです。一部の歯にかかった負担は、顎にも影響します。スプリントをつけることで歯全体に力を分散させ、顎関節への負担を軽減するでしょう。
鎮痛剤の服用
痛みがひどい場合には、痛み止めを服用します。
痛みが強い場合は抗炎症作用のあるロキソプロフェン、胃腸が弱いなど副作用が心配な方にはアセトアミノフェンなど、患者様に合わせて歯科医師から薬が処方されるでしょう。
開口訓練
開口障害を放置すると余計に口が開きにくくなる場合があるため、口を開ける訓練を行いましょう。訓練の例は、以下のとおりです。
口を開ける訓練
人差し指の腹で下の前歯を押さえて、親指の腹で上の前歯を上に持ち上げます。痛みが強くない範囲で毎日少しずつ行いましょう。
筋肉のマッサージ
こめかみから耳の手前までの範囲を手で優しく包み込むようにグルグル回してください。1日3回程度行い、筋肉をほぐしましょう。
セルフケア
日常で何気なく行っていることが、顎関節に負担をかけていることがあります。顎関節症の治療中は、以下のことに気をつけて過ごしましょう。
- 1日に数回、上の歯と下の歯が密着していないか確認する
- 硬い食べ物を控える
- 背筋をのばして正しい姿勢を心がける
顎関節症の予防法
顎関節症を予防するには、以下の方法が効果的です。
セルフチェックを行う
1日に数回、歯の位置が正しいかセルフチェックしましょう。
本来、物を噛むとき以外は上下の歯列は離れているのが正常です。
しかし、集中しているときやストレスを感じたときなど、さまざまな場面で無意識に上下の歯が密着する人が多くいます。上下の歯が密着した状態は顎関節に負担をかけるので、意識して改善してください。携帯を手にとったタイミングなどに、上下の歯が密着していないか確認するとよいでしょう。自分に適したタイミングで定期的にチェックして癖を改善してください。
悪習癖を治す
猫背やスマホ首、頬杖など、顎の位置がずれる、歪ませる可能性の高い悪習癖を治しましょう。
癖が治らない限り、顎関節症が再発するおそれがあります。
矯正治療を受ける
多くの歯列不正は、噛み合わせにも影響を及ぼします。
矯正治療で正しい噛み合わせに整えることで、顎への負担を軽減できるでしょう。
患者様の声
こんなに丁寧なところは初めてでした。今回は院長先生に治療していただきましたが、説明も丁寧でわかりやすく、痛みもなく満足です。歯科衛生士さんも愛想がとてもよくきれいに掃除してくださいました。院内のスタッフさんもすれ違い時に必ず挨拶をしてくださり、雰囲気もとてもよかったです。
丁寧なカウンセリングによって、自身の大切な歯に対する意識が向上しました。先生方、スタッフの皆さまにはいつも親切なご対応をいただき、高い技術・最新の設備・きれいな空間でリラックスして安心して施術を受けております。とにかく申し分のない気持ちのいい環境で、いつもお世話になっており、大変ありがたいです。
まとめ
顎関節症は、噛み合わせや日常の癖など、ふだん気にすることのない生活習慣が原因で起こることが多い疾患です。適切に治療をすれば、早くて2週間、遅くても3か月程度で回復する方が多いです。
顎関節症の原因が根本的に取り除かれていない場合は、再発する可能性があるでしょう。生活習慣を見直して、顎関節に負担をかけないように過ごすことが大切です。
顎関節症の治療を検討されている方は、兵庫県西宮市にある医療法人社団 西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。
小道俊吾