こんにちは。兵庫県西宮市にある医療法人社団 西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
部分矯正の費用相場は矯正方法によって異なりますが、約100,000〜600,000円です。部分矯正は全体矯正と比較した場合、治療期間も費用も抑えられるというメリットがあります。
今回は、矯正方法別の費用相場と、部分矯正のメリットや適応症例について解説します。
目次
部分矯正とは
部分矯正は歯列矯正の一種で、特定の歯や歯列の一部分だけを対象に矯正治療を行う方法です。例えば、前歯のすき間が気になる場合や、一部のみ歯がガタガタしている場合に、その部分だけを矯正することができます。
部分矯正は、全体矯正に比べて期間や費用が少なく済むことが多いです。
ただし、部分矯正だけでは歯列全体の問題を解決することができない場合もあるため、歯科医師に相談して適切な治療方法を選ぶことが重要です。
部分矯正のメリット・デメリット
部分矯正は治療期間や費用が抑えられるメリットがある一方で、適応症例が限られているなどのデメリットがあります。
メリット
部分矯正は費用や治療期間、痛みなどが少ないことがメリットです。
費用が安い
部分矯正は矯正装置が小さいため、費用が全体矯正よりも安いです。治療期間の短さも費用が安いことに関係しています。
治療期間が短い
一部分のみを治療するため、治療期間が短い傾向にあります。全体矯正の場合、2〜3年ほどかかることがありますが、部分矯正は半年〜1年半ほどで終了することが多いです。
痛みや負担が少ない
部分矯正では歯の一部分のみを動かすため、全体矯正よりも痛みを感じにくいです。
また、ワイヤー矯正の場合は、一部分のみしか矯正装置がついていないため、食事や歯磨きがしやすいというメリットがあります。
デメリット
部分矯正は、噛み合わせの調整が難しい、後戻りしやすいことがデメリットです。
適応症例が限られている
部分矯正は、歯の一部分のみしか動かすことができないため、動かせる距離や方向に限りがあります。歯並びが大きくずれている場合は、部分矯正を適応できないことが多いです。
歯の移動距離が少ない軽度の出っ歯や叢生などは、部分矯正で治療が可能です。
噛み合わせの調整が難しい
噛み合わせを改善する場合は、歯列全体を動かす必要があるため、部分矯正では治療できない場合があります。
後戻りしやすい
部分矯正で問題の部分だけを改善しても、根本的な原因を解決できなければ、後戻りする可能性が高いです。
部分矯正で治療できる症例・できない症例
部分矯正で治療できる症例は、基本的に軽度の症例に限ります。部分矯正ができない症例は、噛み合わせの不良や重度の症例などです。
部分矯正で治療できる症例
以下のような症例は、歯列全体を動かさない部分的な矯正で解決できる場合があります。
- 軽度の叢生(ガタガタした歯並び)
- 軽度の出っ歯
- すきっ歯
- 正中(上下前歯の真ん中)のずれ
部分矯正で改善できるのは、噛み合わせに大きな問題がない軽度の歯並びの乱れです。軽度の叢生や出っ歯などは、部分矯正でも治療できる可能性があります。
ただし、歯並びの乱れが噛み合わせによって引き起こされている場合は、部分矯正での改善は難しいです。歯を大きく動かす必要のある症例は、全体矯正のほうが適切でしょう。
強引に部分矯正で治療しようとすると、かえって歯並びや噛み合わせに問題が生じる可能性があります。部分矯正での治療が可能かどうかは、歯科医師による正確な診断が必要です。
部分矯正で治療できない症例
部分矯正だけでは解決できず、歯列全体を動かす必要がある症例は、以下のとおりです。
- 骨格の問題
- 重度の叢生
- 開咬(前歯が噛み合わない)
- 過蓋咬合(噛み合わせが深い)
出っ歯や受け口が骨格によって生じている場合、部分矯正によって改善することは難しいでしょう。開咬や過蓋咬合などの噛み合わせの問題についても、部分矯正での対応が難しい場合があります。
部分矯正の種類
治療目的や歯列の状態に応じて、矯正方法を選ぶことが重要です。
部分矯正の代表的な種類は、以下のとおりです。
ワイヤー矯正(表側)
ブラケットとよばれる金属の器具を歯の表側に装着して、歯列の一部分だけを矯正します。部分矯正の中で最も一般的な方法のひとつです。
矯正装置には金属を使用することが多いですが、目立ちにくい白色や透明のものを使う方法もあります。
以下、表側矯正のメリットとデメリットをまとめました。
<表側矯正のメリット・デメリット>
メリット | ・適応症例が多い ・歯の移動距離や方向を細かく調整できる ・ほかの矯正方法に比べて安い |
デメリット | ・矯正装置が目立つ ・食べかすが詰まりやすい ・歯磨きが難しい ・痛みや違和感がある |
歯の表面にワイヤーとブラケットを装着する表側矯正は、裏側矯正やマウスピース矯正が適応できない症例でも治療できる場合があります。
マウスピースは歯を覆うため、細かい調整は苦手です。
ワイヤー矯正なら、ブラケットにかける圧力や方向を微調整できるため、高い精度で歯列を矯正することができます。
しかし、口を閉じたときに唇が盛り上がることや、矯正装置が目立つことから、見た目に大きく影響します。ブラケットやワイヤーを白色、または透明のものを使用するプランもあるため、興味のある方は歯科医師に相談するとよいでしょう。
また、ワイヤー矯正は矯正装置を自分で取り外せないため、食事や歯磨きの際も装着したままです。食べかすが詰まりやすく、歯ブラシで磨きづらいため歯磨きを難しく感じる方が多いです。さらに、金属を使用するため、粘膜にあたって痛みなどを感じることがあります。
表側矯正は適応症例が多く、精度の高い矯正が可能ですが、デメリットも多い矯正方法です。
ワイヤー矯正(裏側)
ブラケットを歯の裏側に取り付ける矯正方法で、大きく口を開けない限り装着していることが分かりません。見た目の美しさを保ったまま、矯正治療を受けられるメリットがあります。
ただし、費用がほかの矯正方法に比べて高額な場合が多いです。
以下、裏側矯正のメリットとデメリットをまとめました。
<裏側矯正のメリット・デメリット>
メリット | ・目立ちにくい ・エナメル質を傷つけにくい ・虫歯や歯周病になりにくい |
デメリット | ・舌に触れる ・適応症例に限りがある ・費用が高い ・医師の高い技術が要る |
裏側矯正の場合、ワイヤーやブラケットを歯の裏側に装着するため、矯正装置が目立ちにくく、エナメル質が傷つきにくいことは大きなメリットといえるでしょう。
表側矯正の場合、矯正装置を外す際にエナメル質を傷つける可能性があります。エナメル質は歯の裏側のほうが層が厚いため、裏側矯正はエナメル質が傷つきにくくなります。唾液によって湿潤環境が保たれている歯の裏側は、空気によって乾きやすい表側に比べて虫歯や歯周病になるリスクが低減されるでしょう。
しかし、裏側矯正は歯の裏側に矯正装置をつけるため、舌に当たり、発音しにくくなる場合があります。表側矯正と同じく取り外しができないため、食べかすが詰まりやすく、歯磨きが困難というデメリットもあります。矯正装置に慣れるまで時間がかかるでしょう。
さらに、裏側矯正は医師の高い技術が必要なため、実施している歯科医院は表側矯正よりも少なく、費用も高額になります。
マウスピース矯正(インビザライン)
透明なマウスピースを使用して矯正する方法です。マウスピースは透明なため、見た目への影響が少なく、生活するうえで負担が少ないというメリットがあります。
ただし、不得意な歯の動かし方があるため、症例によっては治療期間が長くなる場合があります。
以下、マウスピース矯正のメリットとデメリットをまとめました。
<マウスピース矯正のメリット・デメリット>
メリット | ・目立ちにくい ・痛みが少ない ・取り外しができる ・通院回数が少ない |
デメリット | ・お手入れが必要である ・汚れやすい ・歯の移動距離に限りがある ・装着時間やマウスピースの交換など自己管理が必要である |
インビザラインは、透明なマウスピースを使用するため目立ちにくく、矯正中でも自然な見た目を保つことができます。
ブラケットやワイヤーを使用しないため、痛みや違和感が少ないことがメリットです。マウスピースは非常に薄く柔らかいため、口の中にフィットし痛みを感じにくいです。また、マウスピースは取り外しが可能なので、ふだんどおりに食事や歯磨きができます。毎食後に歯磨きとインビザラインの洗浄を行えば、食べかすが詰まることなく口腔内を清潔に保てます。
マウスピースは1〜2週間ごとに交換しますが、自分で行うため頻繁な通院は不要です。通院回数が2〜3か月に1回なので、ほかの矯正方法に比べて通院頻度が少ないこともメリットといえるでしょう。
一方、取り外し可能なインビザラインは毎食後に洗浄しなければなりません。インビザラインは歯を覆うため、唾液の自浄作用が十分に働きません。ケアを怠ると、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。さらに、1日20〜22時間以上の装着時間を守る必要があります。マウスピースはお手入れや装着時間など、自己管理が非常に重要な矯正方法といえるでしょう。
また、マウスピースは歯の移動距離が大きい症例には適さないため、重度の受け口や出っ歯などは治療できない場合があります。
部分矯正の費用相場
部分矯正の費用相場は、以下のとおりです。
<矯正方法別 部分矯正の費用相場>
矯正方法 | 費用相場 |
---|---|
ワイヤー矯正(表側) | 約300,000〜500,000円 |
ワイヤー矯正(裏側) | 約400,000〜600,000円 |
インビザライン | 約100,000〜400,000円 |
裏側矯正は医師の高い技術力が求められるため、ほかの矯正方法よりも高額になることが多いです。
インビザラインは、使用するマウスピースの枚数などによって費用が変化します。
部分矯正の治療期間
部分矯正の治療期間の目安は、以下のとおりです。
<矯正方法別 部分矯正の治療期間>
矯正方法 | 治療期間 |
---|---|
ワイヤー矯正(表側) | 約1年 |
ワイヤー矯正(裏側) | 約1年 |
インビザライン | 約半年〜1年半 |
インビザラインは、軽度や中度の症例に適応されることが多い一方、苦手な動きもあるため症例によって治療期間が大きく異なります。軽度の場合は比較的短い期間で治療が終わりますが、歯の移動距離が大きい場合は治療期間も長くなるでしょう。
患者様の声
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まとめ
部分矯正は全体矯正に比べて、治療期間も費用も抑えられます。適応症例は限られていますが、適応可能と判断された場合は、検討してみてはいかがでしょうか。
ただし、事前にメリットやデメリットについてしっかりと把握しておくことが大切です。歯並びの気になる部分だけ整えたい、費用を抑えて矯正をしたいなどの希望がある方は、歯科医院に相談するとよいでしょう。
部分矯正を検討されている方は、兵庫県西宮市にある医療法人社団 西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。
小道俊吾