こんにちは。兵庫県西宮市にある医療法人社団 西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
歯医者さんで「歯石がついていますね」などといわれ、歯石除去をしたことがある人もいるのではないでしょうか。
では「歯石」が一体どのようなものなのか、放っておくとどうなるのかご存じでしょうか。「歯石」の正体を知って、お口と歯の健康に役立てていきましょう。
もくじ
歯石とは
歯石とは、歯に付着した歯垢(プラーク)が、唾液中に含まれるカルシウムやリンと結びつき、石灰化したものです。石のように硬くなっており「歯石(しせき)」といわれます。細かく分類すると、歯石は「縁上(えんじょう)歯石」と「縁下(えんか)歯石」に分けられます。
それぞれの特徴について解説していきます。
縁上歯石とは
歯茎から出ている歯の表面、歯肉縁上についている歯石を「縁上歯石」といいます。白色や黄色の歯と似たような色が特徴です。唾液が出る唾液腺に近い、下の前歯の裏側や上の奥歯の頬側によくつきます。
歯に付着した汚れと違って硬いものの、縁下歯石と比較するとやわらかく、歯科医院ですぐに除去できます。
縁下歯石とは
歯茎よりも下の歯の根っこ部分の表面、つまり歯周ポケットの中に沈着する歯石を「縁下歯石」といいます。歯周病が進行すると、歯を支えている骨が溶かされて「歯周ポケット」が深くなるので、縁下歯石があることが多いです。
黒褐色で硬く、歯科医院でも全部の歯の縁下歯石を一度に除去することはできません。1回の治療では、4~6本程度の縁下歯石を除去します。
歯石を除去しないと
歯石がついたままになっていると、周囲に歯周病菌が繁殖します。その結果、歯周病になる可能性や歯周病をさらに進行させてしまうおそれがあります。
特に、縁下歯石をついたままにすると、歯周ポケット内で歯周病菌が繁殖しやすく、歯周病の進行が進んでしまうので注意が必要です。
歯石除去は自分でできる?
歯石は自分でとることはできません。歯科医院で専用の器具・器材を使って除去してもらいましょう。
ドラッグストアやバラエティショップなどで、自分で歯石を除去するための小さな鎌のような形をした器具が売られているのを見たことがあるかもしれませんが、安全にしっかり除去するのは難しいです。
歯石除去を自分でしてはいけない理由
歯石は、歯に強固に沈着しているので、取り除くにはそれなりの力が必要です。自分で取ろうとすると無理な力がかかってしまい、歯茎などの粘膜を傷つけたり、歯を痛めたりする可能性があります。また、自分で歯石が取れたように感じても、表面だけを削げ落としているだけで、すべてが取り除かれていないことが多いです。
しっかりとすべて除去していない状態だと、すぐに上から積み重なるように歯石が沈着してしまいます。
歯科医院で歯石除去してもらおう!
歯石は、定期的に歯科医院で除去してもらいましょう。
歯科医院ではどのような方法で歯石を除去しているのか、また歯石を除去したあとの注意点を説明していきます。
超音波スケーラーの歯石除去
歯石を除去するときに使う器械は、超音波スケーラーといって、超音波の力で歯石をはじいて除去するものです。
歯石除去を受けたときに「器械でガリガリとやられた」など、マイナスなイメージを持たれている方もいるかもしれませんが、歯を削る器械とはまったく違うものなので安心して施術を受けることができます。
ただし、知覚過敏がある場所などには、刺激が強くて痛みを感じることがあります。あらかじめしみやすい場所がわかっていれば伝えるとよいでしょう。パワーを弱めることも可能です。
手用スケーラーの歯石除去
鎌の形をしたような手用の器具で歯石を除去していきます。超音波スケーラーのような刺激はありません。
手用スケーラーだけでは一度に多くの歯石が取れないため、歯石の量が多いときには時間がかかります。超音波スケーラーと併用することが多いです。
縁下歯石の除去
歯茎の中に沈着した縁下歯石の除去は、さまざまな形の専用の手用スケーラーを使って除去していきます。
一度に除去できるのは、4〜6本程度です。歯周ポケットが深く、痛みを伴う場合には、局所麻酔をしてから行います。
歯石除去後の注意点
歯科医院で歯石を除去したあとに注意すべきポイントを解説します。
一時的にしみることがある
多量の歯石を除去したあとは、今まで歯石で覆われていた歯の表面が露出するので、一時的に冷たいものがしみることがあります。慣れてくれば治まりますので、様子をみるようにしましょう。
直後に出血があった
歯石除去の際、出血が多いと心配する方がいますが、それは、歯石がついていたことで、歯茎が炎症を起こしていたことが理由です。歯石除去のあと、丁寧に歯みがきをすれば、炎症を起こした歯茎は引き締まり出血も治ります。丁寧な清掃を心がけましょう。
歯茎が腫れた
歯周病が進行している歯茎の中の縁下歯石を除去したあと、刺激を受けて一時的に炎症が強く起き、痛みを伴うこともあります。
歯周ポケットが深い場合に、歯茎の中を清掃することは大切な治療なのでやむを得ないことでもありますが、腫れや痛みが大きい場合には、早めに受診しましょう。服薬をして様子をみることがあります。
歯石ができないようにするためにできること
歯石が完全にできないようにすることは不可能です。
ここでは、できるだけ歯石をつきにくくするポイントを説明します。
歯石のもととなる歯垢(プラーク)をしっかりと除去する
歯石のもとは歯垢です。丁寧に歯ブラシを行い、歯垢を取り除きましょう。
少しでも取り残すと、そこから石灰化し、歯石が増えてきてしまいます。100%の歯垢を除去することは難しく、数か月から半年で歯石沈着が起こります。
できるだけ歯石をつきにくくするためには、日々の歯みがきを丁寧に行い、定期的に歯科医院で歯石除去をするように習慣づけていくのがよいでしょう。
歯石沈着の予防になる歯みがき粉を利用する
歯石をつきにくくする成分が配合されている歯みがき粉を利用するのもおすすめです。100%予防できるわけではないので、補助的に利用するとよいでしょう。
歯石沈着を予防する主な成分として「ポリリン酸ナトリウム」「ピロリン酸ナトリウム」があります。これらの成分には、歯石が作られるのを抑える働きがあります。市販品や歯科医院で販売している歯みがき粉の成分表示を確認して、購入するようにしましょう。
患者様の声
・駅前で通いやすく、とにかく院内がキレイです。 丁寧なカウンセリング、治療前の説明、次回の治療内容など、きちんと説明してくださるので、安心して治療を受けることができます。 院長先生はじめ、ほかのスタッフのみなさんも、いつも笑顔で対応してくださり、気持ちよく通わせていただいてます。
・病院内もとても綺麗でスタッフの方も説明や対応もとても丁寧です。 これからも定期検診で通います。
まとめ
歯石は、自分ではしっかりと除去することができません。安全で確実に歯石除去するのには、歯科医院で除去してもらうのがおすすです。ご自身で無理やり取らないようにしましょう。
歯石沈着の予防には歯みがきなどの清掃が大切ですが、汚れを100%除去すことや、歯石がつかないようにすることは難しいです。3〜6か月経つと、誰でも歯石が付着します。歯科医院で除去してもらうことを習慣にしましょう。
歯石の除去を検討されている方は、兵庫県西宮市にある医療法人社団 西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。
小道俊吾