こんにちは。兵庫県西宮市にある西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
乳歯が抜ける前に永久歯が生えてきたら心配になる方もいらっしゃるかもしれませんが、場合によってはそのまま様子をみていてもよいときがあります。
ただし、放置することで歯並びや噛み合わせが悪くなるリスクもあるので注意が必要です。
今回は、乳歯が抜ける前に永久歯が生える原因と対処法について解説します。
もくじ
乳歯が生え変わるのは何歳頃から?
歯の生え変わりは、一般的に以下の時期に起こります。
<歯の生え変わり時期について>
2歳半〜3歳 | 乳歯が生えそろう |
5歳半〜6歳 | 乳歯から永久歯への生え変わりが始まる |
12歳前後 | 永久歯が生えそろう |
乳歯は一般的に、2歳半〜3歳までに生えそろいます。その後、5歳半〜6歳頃より永久歯への生え変わりが始まり、12歳前後にはすべての永久歯が生えそろうといわれています。
ただし、歯の生え変わりは個人差が大きく、永久歯の生え変わりが7歳くらいからスタートしても、心配しすぎることはないでしょう。また、女の子のほうが男の子よりも生え変わる時期が早い傾向にあります。
生え変わりの時期が大幅にずれている場合は、歯科医院を受診してください。
乳歯が抜ける前に永久歯が生える原因
本来、永久歯は乳歯の真下から生えてきます。永久歯が押しあがってくることで、乳歯の歯根部が溶かされます。乳歯が抜けて、その真下から永久歯が生えてくるのが、一般的な歯の生え変わりです。
しかし、永久歯が乳歯の真下ではなく、少しずれた位置から押しあがってくると、乳歯の歯根部が十分に溶かされず、乳歯が抜ける前に永久歯が生えてくることがあります。乳歯の歯根部が完全に溶かされないと、永久歯が生えるスペースがなくなるため、乳歯を避けるように内側に生えてきます。
乳歯が抜ける前に永久歯が生えることによって悪影響も?
乳歯が抜ける前に永久歯が生えてきた場合、さまざまな悪影響があります。長期間放置すると、歯並びや噛み合わせなどに影響する可能性もあるため、注意が必要です。
以下に、4つの悪影響について解説します。
二重歯列(二枚歯)になる
主に上下の前歯にみられます。
昔と比べてやわらかいものを食べることが多くなった現代では、顎の骨の発達が遅れやすく、骨が小さくなりやすい傾向にあります。歯の大きさはそのままで、生えるスペースだけが狭くなると、歯が一列に並ぶことができずに重なり合って生えてしまう場合があります。
歯並びが悪くなる
乳歯が抜ける前に永久歯が生えることは、本来の位置からずれて生えてきていることを意味します。そのため、歯並びが乱れやすくなります。
永久歯が乳歯の内側から生えてくることで、歯並びに乱れが生じることがありますが、すぐに歯科矯正について考える必要はありません。なぜなら、内側に生えてきた永久歯は、乳歯が抜けると、舌に力によって押し出されるからです。
8〜9歳頃まで様子をみて、それでも改善がみられない場合は、歯科医師に相談するとよいでしょう。また、歯並びを悪くさせないためには、以下の点に気をつけなければなりません。
- 頬杖をつかない
- 横向きで寝ない
- 舌で歯を押し出さない
- 指しゃぶりをしない
頬杖をつく、横向きで寝るといった癖は、一定の歯に負荷がかかるため、歯の位置がずれやすくなります。また、舌で歯を押し出す癖や指しゃぶりをする癖も、歯が倒れる、歯が斜めに向くなど、歯並びを悪化させる原因になります。
日常生活における癖は、乳歯が抜ける前に永久歯が生えてきた場合以外でも気をつけましょう。歯の生え変わり時期は、歯だけでなく顎の骨も発達途中です。この時期に大きな負荷がかかると、歯並びや噛み合わせが悪くなる可能性があります。
噛み合わせが悪くなる
乳歯が抜ける前に永久歯が生えると、噛み合わせが悪くなる場合があります。生えてきた永久歯がねじれている場合や傾いている場合は、上下の顎がずれやすくなります。顎がずれると、顎関節症や顔が歪むなどさまざまなリスクにつながります。
噛み合わせが悪くなると、歯や顎の負担だけでなく、見た目への影響も出てくるので、噛むときに痛みや違和感がある場合は早めに医師に相談してください。
虫歯になりやすい
乳歯が抜ける前に永久歯が生えると、2つの歯が重なり、汚れが溜まりやすくなります。歯ブラシが行き届かず、十分に歯垢を落とすことが困難となるため、虫歯になりやすいです。
特に、永久歯が生えてからの2〜3年は「幼若永久歯(ようじゃくえいきゅうし)」とよばれ、歯が未熟です。歯根が完成しておらず、歯の表面のエナメル質もやわらかい状態です。幼若永久歯は、唾液に含まれるミネラル(カルシウムやリン)によって徐々に硬くなっていきますが、フッ素を吸収しやすい時期でもあるので、フッ素入りの歯磨き粉の使用や、歯科医院でフッ素塗布をすることにより、虫歯になりにくい強い歯を育てることができるでしょう。
歯の生え変わり時期は歯質が弱く、歯並びが複雑になりやすいので、虫歯のリスクが高くなります。特に、最も奥にある歯は、しっかりと高さが出るまで歯ブラシが行き届きにくい場合があります。お子さまの歯磨き後は必ずチェックをし、仕上げ磨きを入念に行いましょう。グラグラしている歯は動いて磨きづらいので、歯ブラシを持っていない手で動く歯をおさえると磨きやすくなります。
乳歯が抜ける前に永久歯が生えてきてしまったら
永久歯が生え始めてから2週間ほどは様子をみても大丈夫でしょう。乳歯がグラグラと動き始めたら、そのまま抜けるのを待ちます。
しかし、2週間以上経っても、まったく動かずに抜ける気配がみられない場合は、抜歯を検討しなければなりません。
経過観察でよいケース
乳歯がグラグラと動いているのであれば、そのまま様子をみても問題ないでしょう。乳歯が抜け落ちたら、そのスペースに永久歯が移動し始めるので、本来の位置に戻る可能性があるからです。
永久歯は、生え始めの位置で歯並びが決まるわけではありません。多少ずれた位置に生えてきたとしても、舌や唇の力によって本来の位置へと動きます。また、永久歯が発達するとともに、乳歯の歯根を吸収していくため、正常な位置へ移動します。
ただし、舌で歯を押す癖や、頬杖をつく癖などがある場合は、生える途中に本来の位置からずれてしまうことがあるので注意が必要です。
抜歯が必要なケース
乳歯の動きがなく、抜ける気配がない場合は、抜歯が必要となるかもしれません。永久歯が生えてきたにもかかわらず、乳歯が動かない場合は、永久歯の歯根が乳歯の下ではなく、ずれた位置にある場合が考えられます。
位置がずれたまま放置すると、歯並びなどに悪影響を及ぼす可能性があるので、抜歯が必要です。場合によっては、永久歯が生えたあとに乳歯を抜歯しても、元の位置に戻らない可能性もあるでしょう。
永久歯が生えてきてから、数か月経っても乳歯が抜けない場合は、歯科医院を受診してください。また、歯茎が腫れる場合や痛みを感じる場合は、炎症を起こしている可能性があるので早めの受診が必要です。
患者様の声
西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科では、お子さまが怖がらず、安心して治療が受けられるように配慮しております。
息子、娘の治療でお世話になっています。 院内は清潔感があり、とてもおしゃれでありながら、こどもも大人も過ごしやすい空間となっており、とても居心地がよいです。 院長先生、スタッフの方々もとてもやさしく、親身で治療も丁寧にしてくださいました。 娘も初めての歯医者さんデビュー(虫歯治療)で、「どうだった?」と感想を聞いてみると「たのしかった!」と、まさかの言葉。終始こどもが退屈しないように楽しませてくださいました。スタッフの方も歯磨きの仕方などとても丁寧に説明してくださり、私自身もとても勉強になっています。おかげさまで安心して通えますし、今後もお世話になります。
定期検診で伺いました。歯科嫌いなこどもも、親切でやさしい先生やスタッフの方々に寄り添って治療をしていただいたおかげで、歯が綺麗になったことを実感し「次いつ行くの?」と受診を楽しみにしています。 ファミリールームでは、待ち時間に動画をみせていただき、おもちゃで遊び、楽しい時間を過ごし、子連れでも安心して受診することができました。
まとめ
乳歯が抜ける前に永久歯が生えてくると心配になる親御さんも多いでしょう。
しかし、乳歯がグラグラして抜け落ちそうであればそのまま様子をみても構いません。抜ける様子がない場合は、歯並びや噛み合わせに影響してくるので、歯科医院を受診しましょう。
歯の生え変わり時期は歯も顎も発達途中なため、永久歯が乳歯の内側に生えてきたとしても、乳歯が抜ければ元の位置に戻る可能性が高いです。どうしても心配な場合は、医師に相談するとよいでしょう。また、永久歯が生えてから2〜3年は未熟で抵抗力が弱いので、虫歯になりやすい状態です。歯磨きはこどもだけに任せず、必ず仕上げ磨きを行ってください。
お子さまの乳歯や永久歯の生え方にお悩みがある方は、兵庫県西宮市にある西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。
小道 俊吾