こんにちは。兵庫県西宮市にある西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
噛み合わせや歯並びが悪いと、まずは「見た目が気になる」と感じる人が多いのではないでしょうか。口元のイメージはお顔全体のイメージにも繋がるため、綺麗な歯並びはとても理想的です。
しかし、噛み合わせや歯並びが影響するのは「見た目」だけではありません。ほかにも、お口や全身にさまざまな悪影響があります。
今回は、噛み合わせが悪いことで起こる症状・またその原因や治療法について詳しく解説します。
もくじ
噛み合わせが悪い状態「不正咬合(ふせいこうごう)」とは
ひとことでいうと「歯並びや噛み合わせがよくない状態」です。そのような状態を総称して「不正咬合」といいます。
以下、不正咬合の代表的なものをご紹介します。
叢生(そうせい)
「乱杭歯(らんぐいば)」ともいわれます。歯が生えるスペースが狭いために、歯並びがデコボコしている状態です。「八重歯」は叢生の代表的な例といえます。顎の骨が狭い場合や歯が大きい場合に起こりやすくなります。最も多い不正咬合が「叢生」です。
空隙歯列(くうげきしれつ)
歯と歯の間にすき間がある状態のことを指し「すきっ歯」といわれます。顎の骨の中に「過剰歯(かじょうし)」といわれる余分な歯が埋まっている場合や、「上唇小帯(じょうしんしょうたい)」の異常などが原因です。
「上唇小帯」とは、上唇と歯茎との間にあるヒモ状の筋のことです。この筋の付着が大きく、歯と歯の間にまで入り込んでいる場合、歯と歯の間にすき間が生じてしまいます。
上顎前突(じょうがくぜんとつ)
「出っ歯」といわれる状態です。上顎が前に出ている場合だけでなく、下顎の成長不足や上の前歯が前方に傾いていることが原因となる場合もあります。例えば、3歳を超えても長時間指しゃぶりを行っている場合、前歯を前方に押す力が働き、上顎前突になることがあります。上顎前突は、叢生に次いで多い不正咬合です。
下顎前突(かがくぜんとつ)
下顎が前に出ている状態で「受け口」「反対咬合(はんたいこうごう)」ともいわれます。顔の形に影響があるため、コンプレックスを感じる人が多い不正咬合です。
骨格が影響していることが多く、治療や管理が難しい症例といえます。治療に時間がかかることも多く、早めに治療を開始するほうがよいとされています。
開咬(かいこう)
奥歯が噛み合っているにもかかわらず、上下の前歯が噛み合っておらず、すき間が空いている状態です。前歯が噛み合っていないため、食べ物を噛み切ることができないなどの影響が出ます。
指しゃぶりや上下の歯の間に舌を出す癖が続くと、開咬になることがあります。
過蓋咬合(かがいこうごう)
噛み合わせが深くなっている状態です。正しい噛み合わせでは、上下の前歯は1~3㎜程度、上の前歯が外側になる状態で噛み合います。
しかし、過蓋咬合になると、上の前歯の後ろの歯茎に、下の前歯の先端があたります。奥歯に強い力がかかりすぎて負担となる場合や、顎関節にも強い負担となる場合があります。
噛み合わせが悪くなる原因とは
原因は大きく分けて「骨格などの遺伝」と「生活習慣」の2つです。不正咬合のうち「骨格や遺伝」によるものはおおよそ3割程度、「生活習慣」によるものは残りの7割程度だといわれています。それぞれについて詳しく解説します。
骨格などの遺伝によるもの
顎の大きさ・歯の大きさは、遺伝によって決まるところも大きいといわれています。不正咬合は、顎の大きさと歯の大きさのミスマッチによって起こることが多く、必然的に親子の噛み合わせは似てきます。例えば、両親のどちらかが受け口だと、こどもも受け口になる可能性が高くなります。
ただし、必ず遺伝するわけではなく、次に解説する「生活習慣」の影響とあわせて、噛み合わせが決定することが多いので、早い段階から経過観察をしながら、噛み合わせに影響がある生活習慣に注意していくのが望ましいでしょう。
生活習慣によるもの
生活習慣によって、顎や口、顔に継続的に「力」が加わると、噛み合わせが悪くなる可能性があります。さまざまな生活習慣と関係があるので、具体的な例をいくつか挙げていきます。
・頬杖
頬杖は、片側の顎の骨に常に力が加わる姿勢です。習慣となっていると噛み合わせに影響があります。
・舌の癖
正しい舌の位置は、舌が上顎全体に軽くあたり、舌の先が上顎の前歯のやや後ろのあたりに触れる位置です。頬と舌に挟まれて歯並びがつくられているため、舌を歯列に乗せる癖や上下の歯と歯の間から突き出す癖があると、噛み合わせに悪影響が出る可能性があります。
・唇の緊張や弛緩
唇があることにより、前歯の歯は正しい位置に並んでいます。普段から唇がしっかり閉じられておらず、ポカンと開いたままになっている場合や、唇を噛む癖・吸う癖などがある場合は、噛み合わせに悪影響が出る可能性があります。
・口呼吸
正常な呼吸は、口を閉じて鼻で呼吸をする鼻呼吸です。口で呼吸をする癖がある場合は、唇が開いたままになっていることが多く、噛み合わせに影響が出ます。口を閉じて鼻呼吸をすることを意識しましょう。
また、鼻炎等で鼻呼吸が難しい場合には、耳鼻科を受診し、改善していくのがよいでしょう。
・片噛み
左右どちらか片方で噛む癖があると、片方だけに常に強い力がかかります。左右でバランスよく噛むのが理想的です。
虫歯やうまく噛めないなど、歯に不具合がある場合は、早めに治療をして左右両方でしっかり噛めるようにしましょう。
・就寝時の姿勢
うつ伏せ寝などで、顎に負担をかけた状態で眠っていると、噛み合わせに影響が出る場合があります。顎に負担がかからない仰向けで眠れるように改善しましょう。
・食いしばりや歯ぎしり
食いしばりや歯ぎしりは、歯や顎に非常に強い負荷がかかります。食いしばりを感じたら、自分で意識して止めるようにすることが大切です。
また、マウスピースを利用して、歯や顎への負担を減らすこともできます。マウスピースは、保険適用で歯科医院にてつくることができるので、相談するとよいでしょう。
・その他
生活習慣とは多少異なりますが、親知らずの存在や、抜歯後(もしくは自然に抜けたあと)放置してしまうことで、噛み合わせに影響が出る場合があります。親知らずが奥に生えてくることにより手前に歯を押す力が生じ、歯を動かしてしまうことがあるのです。
また、抜歯後や、歯周病などによって抜けてしまった場合、入れ歯やブリッジなどを入れる治療をせずに、すき間があるまま放置すると、その前後の歯が傾く場合や、動く場合があります。
噛み合わせが悪いことによって起こる症状とは
悪い噛み合わせは、虫歯や歯周病などのお口の病気だけでなく、偏頭痛や肩こりなどの全身にも悪影響を与えます。
1.虫歯・歯周病
噛み合わせが悪いと、汚れが溜まりやすくなり、歯ブラシも大変です。そのため、汚れが溜まり続けてしまうことが多く、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
歯の健康を長く保つためには、噛み合わせを改善させることが必要です。
2.顎関節症
噛んだ時に顎にかかる力に偏りが生じると、顎関節を痛めやすくなります。口を開けるときに顎がカクッと音がする場合や大きく口が開かない場合などは、顎関節症になるリスクが高くなります。
3.頭痛・肩こり・腰痛
全身の筋肉は筋膜で繋がっているため、一部の筋肉に負荷がかかると、全身のあらゆる部分に影響が出ることがあります。例えば、噛み合わせが悪く、口の周りの筋肉に負荷がかかっていると、頭痛や肩こり・腰痛などを引き起こすことがあるのです。
原因不明の頭痛や肩こりなどの全身症状がある場合、矯正治療をしたことで改善したという例もあります。
4.顔の歪み
噛み合わせが悪いと、顔の形にも影響があります。顎の左右のバランスが悪くなると、顔の周囲の筋肉にも偏りが生じ、左右の非対称が顕著になるなど、顔が歪むことがあります。
5.胃腸への負担
噛み合わせが悪いと、当然うまく噛むことができなくなります。きちんと咀嚼できないため、食べ物が細かくならないまま胃に運ばれ、胃腸への負担が大きくなります。
6.歯ぎしりや食いしばり
歯ぎしりや食いしばりは噛み合わせに悪影響がありますが、反対方向からの悪影響もあります。つまり、悪い噛み合わせが、歯ぎしりや食いしばりを引き起こすことがあるのです。
歯ぎしりや食いしばりは、体重の2~5倍もの力がかかるといわれており、歯のすり減りやヒビ、歯の痛み、顎の痛みなどを引き起こします。
7.ストレス
噛み合わせが悪いことで、ここまで紹介したようなさまざまな健康への悪影響があります。長期間にわたって不調が続くと、大きなストレスにもなります。
噛み合わせを治すための治療法とは
噛み合わせをしっかりと治すためには「矯正治療」が有効です。また、まだ顎の成長が発育途中の年齢の場合は、早めに生活習慣を改善することで、その後、噛み合わせが自然と整ってくることもあります。
矯正治療
主な矯正治療法として「ワイヤー矯正」「マウスピース矯正」「外科的矯正治療」の3つがあります。
・ワイヤー矯正
ブラケット矯正ともいわれます。歯にブラケットという装置をつけて、そこにワイヤーを通して歯並びを整えていく方法です。
最も古くからある一般的な矯正方法です。
・マウスピース矯正
透明なマウスピースを一定期間つけ、経過とともに新しいマウスピースにつけ替えていく矯正方法です。
歯の移動が大きなケースには向いていないこともありますが、装置が透明で目立たないので、見た目が気になるという人に向いています。
・外科的矯正治療
上下の顎のずれが大きく、通常の矯正治療だけでは、十分でない場合に行われます。
顎変形症(がくへんけいしょう)という病気が診断された場合などに行われる治療法です。
生活習慣の改善
噛み合わせに悪影響がある生活習慣をあらためることで、その後、正常な顎の発育を促すことができます。まだ顎の発育途中の年齢の場合には、その後に生活習慣を改める必要があります。早い段階で、唇や舌の癖や頬杖や顎の負担のある姿勢の改善をしましょう。
また、矯正治療を始めた場合でも、噛み合わせに悪影響のある生活習慣が改善できないと、矯正治療がスムーズに進まなくなってしまうことがあります。矯正治療とあわせて生活習慣も見直しましょう。
患者様の声
息子、娘の治療でお世話になっています。院内は清潔感がありとてもおしゃれでありながら、子どもと過ごしやすい空間になっておりとても居心地がいいです。
院長先生、スタッフの方々もとても優しく親身で治療も丁寧にしてくださいました。娘も初めての歯医者さんデビュー(虫歯治療)で「どうだった?」と感想を聞いてみると「たのしかった!」と、まさかの言葉(笑)。終始子どもが退屈しないように楽しませてくださってました。
スタッフの方も歯磨きの仕方などとても丁寧に説明してくださり、私自身もとても勉強になっています。
お陰様で安心して通えますし、今後もお世話になります。
まとめ
噛み合わせが悪いことで、見た目だけでなく、虫歯や歯周病などの病気や全身のさまざまな症状に悪影響があることが理解できたと思います。噛み合わせは、遺伝による要素だけでなく、生活習慣も影響するのです。寝る時の姿勢や頬杖などの同じ姿勢を繰り返さないように注意することは、今日からでもできます。また、舌や唇の癖についても、気がついた時に止めるよう注意することで、次第に癖が治ってくるでしょう。ぜひ、今日から始めてみましょう。
すでに噛み合わせに不安がある、不調を感じている、全身などに悪影響が出ている場合には、兵庫県西宮市にある西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。
小道 俊吾