こんにちは。兵庫県西宮市にある医療法人社団 西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
床矯正は、主に成長期の子供を対象にした矯正方法です。顎の成長を利用して、歯並びを整えるための土台を作ります。
しかし、矯正装置が取り外し可能なため、適切な使用方法や管理が求められます。誤った使い方をしたり治療計画が適切でなかったりすると「思ったような効果が得られなかった」と後悔するケースもあるでしょう。
今回は、床矯正とはどのような治療法なのかを解説します。床矯正が向いていないケースや後悔しないための対策などもご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
床矯正の目的
床矯正とは、成長期のお子さまの顎の骨の成長を利用して、歯が正しい位置に生えるようにスペースを確保する治療法です。永久歯が生えそろってから行う矯正治療では、歯が並ぶスペースが足りない場合は抜歯することがあります。
しかし、子供のうちに床矯正で歯列を広げてスペースを確保すれば、永久歯を抜歯するリスクを低減できます。
床矯正では、歯科用レジンで作られた土台となる床に、金属のバネやネジが埋め込まれた装置を使用します。着脱可能で、1日に12～14時間以上装着しなければ十分な効果は得られません。就寝時と日中の数時間装着するのが一般的です。
床矯正の失敗例
子どもの矯正治療として注目されている床矯正ですが、誤った使い方や管理不足などによって、期待した結果が得られないこともあります。以下に、床矯正の失敗例をご紹介します。
理想の歯並びにならなかった
床矯正を行っても、理想の歯並びになるとは限りません。床矯正では歯が綺麗に生えるスペースを確保しますが、歯を移動させることはできないためです。歯並びを細かく調整するには、マウスピース矯正やワイヤー矯正に移行する必要があります。
噛み合わせが悪くなった
床矯正で顎の骨が広がり過ぎると、噛み合わせが悪くなることがあります。定期的に歯科医院を受診し、歯並びと噛み合わせの状態を確認してもらうことが大切です。
顎関節症になった
床矯正では、歯列に圧力がかかります。装置のネジを回転させることで負荷を調整できますが、過度な負荷がかかった場合、顎関節症になる可能性があります。
顎関節症になると、口を開けるときに異音が鳴ったり口を大きく開けることができなくなったりします。重症化すると日常生活に支障をきたすこともあるので、異変を感じたらすぐに歯科医師に相談しましょう。
後戻りした
床矯正に限らず、矯正治療後に後戻りを起こすことがあります。矯正治療後の歯周組織は不安定なので、何も対策しなければ安定せずに後戻りを起こします。床矯正で歯列が拡大した後は、後戻りを防ぐためにリテーナー（保定装置）を装着するようにしましょう。
出っ歯になった
歯列を頬側に広げるため、歯に内側から力がかかります。そのため、床矯正を行うと前歯が押し出されて出っ歯になることがあります。この場合、前歯の矯正治療が別途必要になります。
床矯正を後悔しないための対策
抜歯せずに歯列矯正できる床矯正は、お子さまの矯正治療として注目されています。
しかし、矯正治療を成功させるためには、様々なことに注意しなければなりません。以下で、床矯正を後悔しないための対策をご紹介します。
メリットとデメリットの両方を把握する
床矯正は、子供の顎の成長を利用して、歯が並ぶためのスペースを無理なく作る矯正方法です。抜歯せずにスペースを確保できるメリットがある一方、装置の装着時間を守らなければ矯正の効果を得られないといったデメリットがあります。
また、床矯正で治療できる時期も限られています。メリットやデメリットをしっかり理解した上で、治療を受けるかどうかを決定することが重要です。
装着時間を厳守する
矯正装置の装着時間が不足すると、治療が計画通りに進まず満足のいく結果にならない可能性が高まります。
お子さまの場合、自分で装置を管理することが難しいため、保護者の方のサポートが欠かせません。保護者の方がいない場面でお子さまが矯正装置を外したり、付け忘れたりすることも考えられます。
矯正装置を外している時間が長ければ、その分治療が遅れる可能性が高まります。そのため、保護者の方が矯正装置の装着状況を確認しなければなりません。お子さまにも治療の必要性などを理解してもらったうえで床矯正をはじめましょう。
事前に相談をしっかり行う
一般的な矯正治療と異なり、床矯正は歯自体を移動させる治療ではありません。完璧に歯並びを整えるには、マウスピース矯正やワイヤー矯正が必要となるケースがあります。患者様と歯科医師の考えている最終目標が異なると、治療後に後悔しかねません。
治療後に後悔しないためにも、治療期間や費用、どのような効果があるのかなどを説明してもらいましょう。担当の歯科医師と認識をすり合わせることが重要です。
適応症例でない場合は失敗する可能性が高いため、起こりうるリスクをしっかり把握し、納得したうえで治療を開始しましょう。
床矯正が向いていないケース
以下のような症例の場合は、ほかの矯正方法を検討したほうが良いかもしれません。
出っ歯の傾向がある
床矯正では、内側から力をかけて歯列を拡大させます。そのため、出っ歯で前歯が外側に向いているケースの場合は、床矯正を行うと悪化する可能性があります。出っ歯が悪化すると、前歯で食べ物が噛めなくなることもあるでしょう。
適齢期でない
床矯正の適齢期は、乳歯が永久歯に生え変わる時期です。顎の成長を利用することで、歯が綺麗に並ぶための土台を作れます。
成長期を過ぎたお子さまの場合は、効果が出にくかったり、治療期間が長引いたりすることがあります。顎の成長が終わっている場合は、ワイヤー矯正などのほかの矯正方法を検討する必要があるでしょう。
お子さまの協力が得られない
床矯正は、歯列を正しく整えるために行われる治療方法です。4〜12歳頃のお子さまを対象にしており、治療期間は長期にわたります。口の中に矯正装置を取り付けることになるため、お子さまによっては違和感に耐えられないケースもあるでしょう。
お子さまが矯正を行う場合は、本人だけでなく保護者の方の協力も必要です。お子さまに矯正治療の必要性や重要性を伝え、治療を続けられるようにサポートしましょう。
患者様の声
ここでは、当院で治療を受けた方の口コミを紹介します。
歯列矯正をしている方の口コミ
歯列矯正と定期検診でお世話になっています。1か月に1回のペースで通っていますが、いつも丁寧で親切な治療、対応をしていただいていて安心してお任せできます。院内も綺麗で雰囲気も良いので落ち着きます。
これからも引き続きお世話になりたいと思います。
矯正を終えた後も通っている方の口コミ
矯正で通院しています。初回のカウンセリングのみでしたら無料で相談に乗っていただけます。親身になって一緒に考えてくださったので、このクリニックで矯正治療を受けることを決めました。
1年が経ち無事に矯正治療が終わりましたが、医師も歯科衛生士さんも受付の方も皆さん親切な方ばかりなのでこれからも矯正以外でもお世話になろうと思います。
まとめ
床矯正は、子供の顎の成長を利用して歯並びを改善する治療法で、抜歯を避けられる可能性が高まります。床矯正で適切な効果を得るためには、適齢期に治療を開始し、歯科医師の指示通りに装置を装着することが大切です。
後悔しないためにも、担当の歯科医師としっかり相談して、メリットやデメリットなどを理解したうえで治療を始めるようにしましょう。
床矯正を検討されている方は、兵庫県西宮市にある医療法人社団 西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。
当院では、小児矯正・成人矯正をはじめ、虫歯治療や歯周病治療、マタニティ歯科、ホワイトニングなどにも力を入れています。ホームページはこちら、WEB予約やLINE予約相談もお受けしておりますので、ぜひご覧ください。
小道俊吾
