「虫歯が心配だけど、少しぐらい放置しても大丈夫だよね。」歯に違和感を感じていても、つい後回しにしていませんか?
虫歯を放置すると、頭痛や肩こりだけでなく、心臓や脳の病気を引き起こすこともあります。虫歯の及ぼすリスクは見逃せません。
この記事では、虫歯が身体に及ぼす影響や危険性、その理由についてわかりやすく解説します。
歯に違和感を覚える方や、最近歯科でメンテナンスを受けてない方は、歯の大切さを理解し、歯科受診するきっかけにしてください。
目次
虫歯が引き起こす体調不良は?
虫歯が進行すると、歯の痛みだけでなく、さまざまな体調不良を引き起こすことがあります。
歯とは関係ないように思える症状でも、実は虫歯が原因の場合も少なくありません。
ここでは、虫歯によって引き起こされる体調不良について詳しく見ていきます。
頭痛・顔面痛
虫歯の痛みが進行すると、頭痛や顔面痛を引き起こすことがあります。虫歯が神経に達すると、歯や歯茎に炎症が広がり、顔の筋肉や神経にまで影響を及ぼすからです。
虫歯が深く進行した場合は、さらに強い痛みを引き起こすこともあります。
応急処置として、鎮痛剤で一時的に痛みを抑えたとしても、根本的な原因の解消にはなりません。
頭痛や顔面に痛みを感じた場合は、虫歯の影響も考えられることを知っておきましょう。定期的な歯科検診で、虫歯の早期発見・早期治療が大切です。
肩こり
意外かもしれませんが、肩こりと虫歯には密接な関係があります。
虫歯になると、痛みを避けようと無意識に片側だけで噛むことが増えます。咬み合わせがずれて姿勢が歪んでしまうため、首や肩の筋肉に緊張が生じ、肩こりが起こるのです。
歯そのものの痛みがなくても、咬み合わせのずれが筋肉の痛みを引き起こしていることも考えられます。
慢性的な肩こりに悩んでいませんか?もし片側で噛む癖がついていれば、虫歯が原因かもしれません。
めまい・耳鳴り
虫歯が進行すると、上下の歯の咬み合わせがずれてしまい、顎関節に負担がかかります。負担が内耳にまで影響を及ぼすと、平衡感覚が乱れ、結果としてめまいや耳鳴りが生じることがあります。
痛みを避けるために片方だけで噛む癖がつくと、あごの動きがさらに偏るため、症状を感じやすくなるでしょう。
耳鼻科を受診しても原因がはっきりとしない場合、虫歯による咬み合わせ不良かもしれません。
食欲不振
虫歯が進行すると、痛みや不快な状態が続き、食べ物を噛むことが億劫になりがちです。
硬いものや冷たいものを避けるようになり、柔らかい食事に偏る傾向も。栄養バランスが崩れ、体力が低下し、さらなる体調不良を招くという悪循環に陥ることもあるでしょう。
歯の痛みにより、噛むのが辛く感じていませんか?食事は健康に直結するため、なるべく早く歯科を受診してください。
倦怠感・疲労感
虫歯による慢性的な痛みや炎症は、倦怠感や疲労感をもたらします。虫歯の痛みが慢性的なストレスとなり、身体のエネルギーを消耗させるからです。
夜間は痛みを感じやすく、睡眠の質が悪くなることもあります。身体が十分に回復せず、常に疲労を感じる状態になりかねません。
睡眠不足によって免疫力が低下すると、虫歯菌の増殖や感染症のリスクも高まります。
手足のしびれ
虫歯が原因で、手足のしびれを感じるケースがあります。虫歯により咬み合わせが悪くなることで、顎関節症を引き起こす可能性があるからです。
顎関節症になると、首や肩の筋肉が緊張して神経や血管を圧迫し、しびれなどの不調を感じやすくなります。
手足のしびれで悩んでいる人は、虫歯で発症した顎関節症が原因かもしれません。神経内科や整形外科などほかの専門科と並行して、歯科の診察も検討してください。
虫歯を放置したときの症状
虫歯を放置すると、最初は軽い痛みだったものが、次第に耐え難い痛みへと変わっていきます。
痛みのほかに、発熱や口臭の悪化があれば、虫歯が進行しているサインかもしれません。
ここでは、虫歯の進行に伴って現れる主な症状について詳しく解説します。
発熱
虫歯が進行すると、身体の免疫反応で発熱することがあります。虫歯が進み、歯の周りに炎症が起こると、身体は悪化を防ぐため対抗するからです。
特に歯の神経に炎症が生じると、熱が上がりやすくなります。発熱は単なる風邪と考えてしまいがちですが、その原因には進行した虫歯が隠れているかもしれません。
長引く発熱や治まらない痛みがある場合は、虫歯の影響を疑いましょう。
激しい痛み
虫歯が広がり、歯の神経に達することで、強い痛みが生じます。周囲の組織にも炎症が広がると、さらに痛みを悪化させるケースも少なくありません。
温かい飲み物や冷たい食べ物を摂取したときだけでなく、何もしていないときでもズキズキと響くことがあります。痛みが続くと、日常生活や睡眠に支障をきたすことが多く、集中力の低下も懸念されるでしょう。
歯の痛みが強まってきた場合は、虫歯が進行しているサインです。放置すると、深刻な病気を引き起こす可能性もあります。
口臭や口内炎の悪化
虫歯で空いた穴に食べかすがたまり、腐敗することで口臭が起こります。口内環境が乱れ、細菌が増えることで、虫歯も口臭も深刻化していくでしょう。
また、虫歯によって歯が欠け、欠けた部分が粘膜を傷つけると、口内炎ができやすくなります。
傷から虫歯菌が入り込んでしまうと治りにくいことも。虫歯が原因であれば、歯科で治療しなければ改善されません。
膿(うみ)が出る
感染が根の先まで到達すると、身体が感染に対抗しようとする反応で膿がたまります。歯茎が腫れ、強い痛みやひどい悪臭を伴うことも珍しくありません。
膿が出る状態は、感染が神経にまで広がっている証拠です。放置すると、神経を取り除く治療や抜歯しなければならないケースもあり、早急な治療が必要です。
最悪のケースを避けるためにも、歯の痛みや違和感を感じた時点で、歯科へ相談しましょう。
痛みがなくてもニキビのようなものができている場合は、膿の可能性があるため、歯科を受診してください。
虫歯を放置することのリスク
虫歯を放置すると、経済的ダメージや生活への影響も大きいです。大掛かりな治療となるケースが多く、高額な治療費や長期間の治療が必要になるからです。
細菌が増えやすい口腔環境は、感染のリスクが高まるため、全身の健康を損なうことも考えられます。
ここでは、虫歯を放置することによって起こりうるリスクについて詳しく解説します。
治療の選択肢の減少
虫歯を放置すると、簡単な治療が難しくなり、選択肢が大幅に減少します。
フッ素塗布や小さな穴を埋める処置で済んだものが、進行すると大きな詰め物や被せ物で複雑な処置が必要になります。
さらに進むと、神経を取る治療や抜歯が避けられないことも。入れ歯やインプラントなどの大がかりな治療になるでしょう。
一度抜歯したら取り戻せない大切な歯。早期に治療すれば、歯を失うリスクを軽減できます。
治療期間や治療費の増加
虫歯が進むほど、治療にかかる期間と費用が大幅に増加します。
初期段階では、詰め物で対応できたはずの小さな虫歯も、進行して神経にまで達すると、根管治療や被せ物が必要となります。治療は複雑化し、自費治療では数万円以上の費用がかかることもあります。
治療期間は長期化することが多く、通院の負担が生活に影響を及ぼすことも懸念されます。
経済的負担だけでなく、長い治療期間による精神的なストレスも無視できません。
歯やあごの骨の変形
虫歯を放置すると、歯だけでなくあごの骨にも影響が及びます。進行した虫歯が歯の根にまで達し、周囲の組織に感染を引き起こすことで、歯の支えとなるあごの骨が溶けてしまうのです。
あごの骨が溶けると、歯がぐらつき、咬み合わせがさらに悪化。顔の形が変わり、見た目にも影響するでしょう。抜歯しなければならないケースもあり深刻な問題です。
虫歯を軽視せず、早期治療を心がけることが、歯だけでなく身体の健康を守る重要な一歩となります。
さまざまな感染症
虫歯により口内環境が悪化し、歯周病を引き起こすことがあります。歯周病になると、あらゆる感染症リスクが増加し、さらに負の連鎖が生じてしまうのです。
また、虫歯菌が血流に乗って全身に広がり、心臓病や肺炎などの重篤な病気を招く恐れもあります。
歯の健康管理は全身の健康維持に直結します。感染症予防のためにも、日頃から丁寧な歯磨きを心がけましょう。
虫歯が原因で発生する可能性がある病気
虫歯は、口の中だけの問題ではなく、全身のさまざまな病気とかかわっています。口腔内の細菌が全身に広がり、ほかの器官にも影響を及ぼすことがあるのです。
中耳炎や副鼻腔炎などの身近な病気が、実は虫歯が原因であるケースも珍しくありません。
心臓病や脳梗塞など重い病気を引き起こすこともあります。
早めの治療で全身の健康を維持できるように、しっかり知識を身につけましょう。
顎関節症
顎関節症は、顎骨に痛みや不調を引き起こす病気です。虫歯が進行することで、咬み合わせの乱れが生じて発症するケースがあります。歯の痛みを避けるために、片側だけで噛む習慣も原因の一つです。
あごからカクカクと音がする、口が開けにくい、頭痛がするなど症状はさまざま。症状が生活の質を低下させる場合もあります。
顎関節症を予防するためにも、虫歯の早期発見・治療が欠かせません。虫歯がなくてもあごの違和感があれば、口腔外科での相談をおすすめします。
中耳炎
虫歯は中耳炎を引き起こす要因にもなります。進行した虫歯の細菌が耳の奥にある中耳に侵入する可能性があるためです。
口腔内の感染が中耳に広がると、発熱や耳の痛みが生じ、耳から膿が出ることもあります。
中耳炎が慢性化すると、聴力に影響を与える可能性もあり、適切に治療しなければ難聴につながることもあります。
副鼻腔炎
虫歯を放置すると、副鼻腔炎のリスクが高まります。歯根の先に感染した虫歯菌が、鼻の奥に広がり、鼻腔に炎症を起こすことがあるからです。
上顎の虫歯は副鼻腔に近いため「歯性上顎洞炎」と呼ばれる副鼻腔炎が起こりやすいとされています。
副鼻腔炎になると、鼻づまりや頭痛などの症状が現れ、ひどい場合には顔に痛みが出ることも。歯性上顎洞炎の場合、原因となる歯の治療が必須となります。
慢性的に鼻づまりや顔の痛みがある場合、虫歯が影響しているかもしれません。
誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎は、口腔内の細菌が気道から肺に入ることで起こる病気です。虫歯や歯周病の進行により、口腔内の細菌数が増えると、唾液や食べ物とともに細菌が肺に入り込みやすくなり、肺炎を引き起こすことがあります。
誤嚥性肺炎は、発熱や咳が続き、重症化すると命にかかわることもあるため、高齢者は特に注意が必要です。
予防には日々の口腔ケアが大切です。定期的な歯科検診で、お口の中を清潔に保ちましょう。
心臓病
虫歯は、心臓病のリスクを高める可能性もあります。口腔内の細菌が血液に入り込み、心臓に感染を引き起こすことがあるからです。
健康な人であれば免疫で細菌を排除できますが、糖尿病のように慢性疾患があり免疫が低下している人は、口内の細菌が全身に影響する危険性が高まります。
例えば「感染性心内膜炎」は、虫歯菌により心臓の弁に炎症が起こる病気です。発熱、息切れ、動悸などの症状が現れ、重症化すると心不全や脳梗塞の原因にもなります。
心臓病は深刻な健康問題であり、早期の治療が不可欠です。口内の健康が、心臓の健康にもつながることを意識しましょう。
脳梗塞や血栓症
虫歯は、脳梗塞や血栓症を引き起こすリスク要因となることがあります。全身に回った細菌により、血管がもろく詰まりやすくなるからです。
虫歯の細菌が、血管を傷つけ炎症を起こすことで、血栓が形成されます。血栓ができ血流が悪くなると、脳梗塞を引き起こすこともあるのです。
脳梗塞は命にかかわることもあるため、虫歯を放置することは非常に危険です。
虫歯だけでなく、歯周病菌も原因の一つです。リスクを回避するためには、口腔ケアが欠かせません。
まとめ
虫歯は歯の痛みだけでなく、肩こりや食欲減退など生活全般に影響を与えかねません。細菌が血液を通じて全身に広がることで、心臓や肺、脳の病気を引き起こすリスクもあります。
虫歯は自然には治りません。口の健康を守ることが、身体全体の健康を守る第一歩です。
生涯にわたる健康のために、日々の口腔ケアと定期的な予防歯科の受診を心がけましょう。
虫歯による体調不良が心配な方は、西宮市の「西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科」にご相談ください。
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