子どもの歯が生え変わり始め、歯並びが気になっていませんか。矯正が必要な場合、できるだけ子どもに負担の少ない治療を選びたいですよね。
夜間マウスピース矯正は、取り外しが可能で歯磨きしやすく、痛みも少ないため、子どもへの負担が軽減できる治療法です。
ただし、効果を得るためには、正しい理解と適切な装着が欠かせません。歯並びの状態によっては、日中の装着も求められる場合があります。
この記事では、夜間マウスピース矯正のメリットや注意点について詳しく解説します。歯科医と相談しながら、子どもに合った治療法を見つけたい方は、ぜひご覧ください。
もくじ
子どものマウスピース矯正で寝るときだけってどうなの?
夜間装着を主とする矯正は、日中の生活への影響が少ないため、取り組みやすい治療です。
成長期の子どもは、歯並びの改善とともに、口腔内の筋肉バランスを整える効果が期待できます。歯並びの乱れが軽度な場合は、就寝中の装着で効果が得られることがあります。
ただし、すべての症例に適しているわけではなく、子どもによっては日中の装着が必要な場合もあります。
ここでは、夜間マウスピースの機能と適した症例について解説します。
口の筋機能訓練を行うマウスピース
子どものマウスピース矯正は、歯並びを改善するだけでなく、口の機能を向上させるトレーニング効果が期待できます。マウスピースを使用することで、口腔内の筋肉のバランスを整え、口の周りの筋肉が正しく働くよう促されます。
舌や唇の正しい位置を保つ習慣が身につくと、口呼吸から鼻呼吸への改善が期待され、口の機能向上を目指せるでしょう。
効果には個人差があるため、歯科医の指導に基づき、適切な使用と装着時間を守ることが重要です。
寝ている間に歯を少しずつ移動させる
夜間マウスピース矯正は、主に寝ている間の装着により、顎や歯を少しずつ正しい位置に促します。
子どものあごは柔らかいため、歯は動きやすい状態です。軽度の歯並びの乱れであれば、夜間装着を中心とした治療で効果が得られる場合があります。
会話や食事、学校生活に支障が出にくく、子どもは抵抗感を持たずに矯正を続けられるでしょう。
効果を得るためには、歯科医の指示に従って適切に装着し、毎晩欠かさず使用することが重要です。
軽度・中度の症例には効果的
就寝中のマウスピース矯正は、軽度から中度の歯列不正に対して提案されます。
成長期の子どもはあごが柔軟なため、マウスピースにより、歯が徐々に正しい位置に移動しやすくなります。軽度の歯並びの悪さであれば、比較的スムーズに歯が移動し、一定の効果が期待できるでしょう。
しかし、重度の歯並びの乱れや、あごの成長に問題がある場合は、夜間のみの矯正では十分な効果が得られないことがあります。日中も装着するマウスピース矯正や、ほかの治療法が推奨されることも考えられます。
治療方法や装着時間については、歯科医の診断に基づき最適な提案を受けましょう。
子どもの成長段階における矯正のメリット
子どもの成長期は、矯正治療にとって非常に効果的な時期です。
成長段階のあごは柔軟で、歯列を整えやすいという特性があります。この時期に矯正治療を始めることで、歯並びの改善だけでなく、口の機能全体によい影響を与えることが期待されます。
早期に適切な矯正治療を受けることが、将来の健康な口腔環境を保つ基盤となるでしょう。ここでは、子どもの成長段階における矯正のメリットを詳しく解説します。
口呼吸が鼻呼吸に変わりやすい
矯正治療により、口呼吸から鼻呼吸への切り替えが期待できます。口周りの筋肉のバランスを整え、舌や唇を正しい位置に保つ習慣をつけることで、鼻呼吸が促されます。
口呼吸を続けると、歯並びが悪くなるだけではありません。細菌やウイルスが直接口から入ることで、感染症にかかりやすくなります。
鼻呼吸に変えることで口腔内の乾燥を防ぎ、虫歯や歯周病のリスクが減ります。さらに、鼻にはフィルターの役割を持つ毛や粘膜があるため、感染症にかかりにくくなるでしょう。
口腔内だけでなく全身の健康を考えるためにも、歯列矯正を通じて正しい呼吸習慣を身につけましょう。
あごの骨が良好な方向に成長する
子どもの成長期に矯正治療を受けると、あごの骨が良好な方向に成長することが期待できます。
成長段階にある子どものあごは柔らかいため、矯正によって正しい方向への成長が促されます。土台となるあごが整うと、歯並びや噛み合わせの改善もスムーズに進むでしょう。
一方、大人になるとあごの成長が完了するため、装着時間を増やす必要があります。十分な効果を得るまでに時間がかかることもあるでしょう。人によっては治療が大掛かりになり、その分費用が高額になることも。
成長段階にある子どものうちに矯正を始めることが、将来の歯に関する悩みを減らし、健康的な生活を送るための重要な鍵となるでしょう。
舌癖の改善をサポートできる
歯列矯正することで、舌が正しい位置に収まり、舌癖の改善が期待できます。
舌癖とは、舌の不適切な動きや位置により、歯に力をかけたり、歯の間から舌を出したりするよくない習慣のことです。これが続くと、出っ歯や受け口など、歯並びを悪化させる原因となります。発声にまで影響を及ぼすこともあります。
子どものうちに舌癖を改善することで、歯やあごへの負担が均等になり、将来的な歯列や口腔機能の問題を予防できます。舌癖は、矯正後の後戻りを防ぐためにも大切です。
小児矯正は、舌の正しい位置を習慣化するための役割も果たします。生涯健康であるためにも、ぜひ早いうちから改善しましょう。
虫歯になりにくい
矯正によって歯列が整うと、歯磨きがしやすくなり、虫歯のリスクを減らせます。
歯並びが悪いと、歯磨きが行き届かず、汚れがたまりやすく、虫歯の原因となります。矯正により歯が正しい位置に並ぶことで、口腔トラブルを予防しやすくなります。
ただし、矯正治療中は、装置に汚れがつきやすく、細菌が繁殖しやすい環境になります。丁寧な歯磨きと適切な装置の洗浄が欠かせません。
注意点を守りトラブルなく治療を続ければ、治療後には歯磨きがしやすく、虫歯になりにくい歯を手に入れられるでしょう。
子どもの寝るときだけのマウスピース矯正の特徴
夜間を中心としたマウスピース矯正は、子どもに受け入れられやすい治療法です。
痛みが少なく、食事や歯磨きの際には簡単に取り外せるため、日常生活への影響を最小限に抑えられます。
ただし、夜間だけの装着で十分な治療ができるのは、歯並びの悪さが比較的軽度な場合であり、日中に数時間程度の装着が求められることもあります。
以下では、マウスピース矯正の具体的な特徴について詳しく解説します。
痛みが少ない
マウスピース矯正は、ほかの治療法と比べて痛みが軽減しやすい治療です。
ワイヤー矯正のように歯に強い力をかけることがなく、柔らかい素材のマウスピースが少しずつ歯を移動させるため、痛みや違和感は大きくありません。
また、子どものあごは柔らかく、歯が動きやすいため、大人に比べて治療中の痛みが少なく済みます。
痛みを感じにくいことで、子どもは矯正への抵抗感が少なく、治療を続けやすくなるでしょう。子どもに我慢させたくない親にとっても、痛みの少ない治療は安心できるポイントです。
装着する時間が短い
就寝時間を利用するマウスピース矯正は、ほかの矯正治療と比べて装着時間が短く済むのも特徴です。
寝ている時間に加えて、日中1時間以上の装着が推奨される場合もありますが、食事や運動時には外せます。普段の生活への影響は大きくありません。特に、学校での装着が不要であれば、子どもの精神的な負担も軽くなるでしょう。
ただし、装着を怠ると効果が薄れる可能性もあるため、決められた装着時間を守ることが重要です。
歯科医の指示に従い装着し、日中の生活の質を保ちながら治療を進めましょう。
取り外しができる
マウスピース矯正は、取り外し可能な点が大きなメリットです。ワイヤー矯正のように固定されないため、装置を外した状態で、食事や学校生活を快適に送れます。
また、丁寧な歯磨きやマウスピースの洗浄もできるため、口腔内を清潔に保ちやすく、虫歯などのトラブルを予防しやすい点が魅力です。
さらに、状況に応じて装置を外せるため、子どもの不安やストレスが軽減され、無理なく治療を続けやすいでしょう。
通院の頻度が少ない
マウスピース矯正の通院頻度は、ほかの矯正治療に比べて多くありません。
ワイヤー矯正の場合、定期的な調整や診療が必要なため、子どもによっては月に1回以上の通院が求められます。
一方、マウスピース矯正は、一般的にワイヤー矯正よりも少ない通院で治療が進められます。習い事をしている子どもや忙しい親にとって、通院の負担が少ないのは大きなメリットです。
ただし、通院頻度は個人差があり、装置の使用状況や慣れ具合によっては追加のフォローが必要になることもあります。歯科医の指示のもと、通院を続けることが重要です。
子どもが寝るときだけのマウスピース矯正を始めるときの注意点
マウスピース矯正を始める際には、いくつか重要なポイントに注意が必要です。
特に、寝るときだけの装着は使用時間が短いため、医師の指示通りに継続して使用することが大切です。
正しく装着せず、お手入れを怠ると、十分な矯正効果が得られないばかりか、トラブルが発生する可能性も高まります。
ここでは、夜間マウスピース矯正する際の注意点とその理由について解説します。
正しく装着されているかどうかを毎晩チェックする
毎晩、マウスピースが正しく装着されているか確認しましょう。確実に使用し、さらにきちんとフィットしていなければ、矯正効果は十分に得られません。
特に最初のうちは、子どもが装着に慣れず、正しくはめられないことも考えられます。装着が不十分だと、歯の移動が計画通りに進まず、治療期間が延びる恐れがあります。
しっかりとフィットしているかを、親が毎晩チェックする習慣を持つことが望ましいでしょう。家族で協力して、矯正効果をサポートすることが大切です。
日中の口腔ケアが夜間矯正の効果を高める
マウスピース矯正中は、日中の口腔ケアが欠かせません。
矯正中は歯にプラークがつきやすく、装着前のケアを怠ると細菌が繁殖し、虫歯のリスクが高まります。歯や歯茎の状態が悪化すると、矯正治療にも悪影響を与えかねません。
子どもは正しいブラッシングの習慣を身につけ、親は仕上げ磨きでフォローすることで、効果的にケアできます。また、フロスの併用もおすすめです。
家庭での丁寧な口腔ケアに加えて、歯医者でのメンテナンスにより口腔内を健康に保てば、矯正効果をさらに高められるでしょう。
マウスピースを常に清潔に保つ
マウスピースは常に清潔に保つ必要があります。毎晩使用する装置は、細菌や汚れが付着しやすい状態です。不衛生なマウスピースを使い続けると、口腔トラブルや虫歯の原因になります。
使用後は毎回、マウスピースをブラッシングし、水でしっかりと洗い流しましょう。専用の洗浄剤を用いた定期的な洗浄も効果的です。
ただし、装置の種類ごとに保管方法やお手入れの注意点が異なるため、歯科医で適切な方法を確認しておくことが大切です。
トラブルのない口腔状態を維持するために、マウスピースは丁寧に洗浄し、常に清潔に保ちましょう。
子どもの矯正で寝るとき以外にマウスピースが必要なケースとは?
子どものマウスピース矯正は、寝るときだけの装着で効果が得られる場合もありますが、症例によっては日中の装着が必要になることがあります。
特に、重度の不正咬合やあごの成長が不十分な場合、また永久歯が生え揃った段階の開始では、就寝時間だけでは効果が得られないと考えられます。
以下では、寝る時以外に装着が必要な場合とその理由について、解説していきます。
重度の不正咬合やあごの成長が不十分な場合
重度の不正咬合やあごの成長が不十分な場合、長時間の固定が必要な治療が求められます。
こうしたケースでは、歯やあごの位置が大きくずれていることが多く、十分な矯正効果を得るための治療が必要です。例えば、1日中装着するマウスピース矯正やほかの治療方法が推奨されます。
歯科医は、患者一人ひとりの歯並びやあごの状態に合わせて、最適な治療を提案します。歯科医としっかり相談しながら、子どもに最も適した治療を検討しましょう。
永久歯が生え揃うタイミングに合わせて使用する場合
永久歯が生え揃った段階で矯正治療を始める場合、歯並びや噛み合わせを整えることが主な治療目的になります。
あごの成長はほぼ完了しているため、あごへのアプローチではなく、歯の移動を調整していく治療が中心となります。
この場合、大人の治療法に近く、夜間だけの装着では効果が不十分です。一般的に1日20時間以上の装着が求められ、日中も使用する必要があります。
まずは、子どもの歯並びが気になった段階で、早めに歯医者に相談しましょう。永久歯が生え揃う前なら、治療負担を減らしつつ、口腔機能を改善する治療を早期に開始できます。
まとめ
子どもの将来の健康を守るためには、早期の歯並び矯正が重要です。
夜間装着を主とするマウスピース矯正は、子どもにとって精神的にも肉体的にも負担が少ない治療法です。あごの成長期に開始することで、効率的な治療が期待できます。
子どもの歯並びが気になる方は、早めに矯正歯科を受診し、適切な診察とアドバイスを受けましょう。
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