こんにちは。兵庫県西宮市にある医療法人社団 西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
インビザライン矯正は、透明なマウスピースを使用して歯並びや噛み合わせを改善する治療法です。矯正装置が目立ちやすいワイヤー矯正とは異なり、マウスピースは装着していてもほとんど目立ちません。
また、装置を取り外せるので、治療開始前と同様に食事や歯磨きを行うことができるというメリットもあります。歯の移動に伴う痛みもワイヤー矯正に比べて少ないことから、多くの患者さまが選択している治療方法です。
しかし、インビザラインでの矯正治療完了後に、正しい位置に並んだはずの歯が再び元の位置に戻る後戻りと呼ばれる現象が起きることがあります。
本記事では、インビザライン矯正後に後戻りが起きる原因や対処法、さらに後戻りを起こさないためにできる予防方法についても詳しく解説します。
もくじ
後戻りとは？
後戻りとは、矯正治療で正しい位置に移動させて整えた歯が、再び元の位置に戻る現象を指します。
矯正治療で歯が動いていくのは、歯に加えた矯正力が歯を支えるあごの骨に伝わり、骨が吸収されたり作られたりするためです。装置から歯を動かす力が歯周組織に伝わると、歯が動く方向で骨を溶かす細胞が作られ、反対側では骨を作る細胞が作られます。
歯根膜には一定の厚みをキープしようとする性質があるので、厚みを保つために顎の骨を溶かしたり作ったりすることで、歯を移動させます。
矯正治療終了後は、歯周組織が安定していません。治療前の状態に戻ろうとするため、何も装着せずそのままの状態でいると歯が動いていき、後戻りが起こるのです。
後戻りは、インビザライン治療だけではなく、ワイヤー矯正など他の矯正方法でも起き得る問題といえます。
インビザライン矯正後に後戻りが起こる原因
インビザライン矯正後に後戻りが起こる原因は複数あります。主な原因は、以下のとおりです。
保定が不十分だった
前述したように、矯正治療後は骨の状態が不安定で歯が動きやすい状態です。移動した歯が新しい位置に安定するまでの間は、リテーナーと呼ばれる保定装置を使って整えた状態を固定しておく必要があります。
リテーナーには、固定式のワイヤー型、着脱可能なマウスピース型やプレート型など、大きく分けて3種類のタイプがあります。患者様のライフスタイルや症状によって選択します。
矯正治療後6か月程度が最も後戻りしやすい時期ですが、その後も保定することが推奨されています。面倒になったり、装着するのを忘れてしまったり、リテーナーを適切に使用しなかった場合は歯が元の位置に戻ることがあるのです。
生活習慣の影響
食いしばりや歯ぎしりなど噛み合わせの癖、頬杖をつく、片側だけで食べ物を噛むなど、生活の中で無意識でしている癖などの影響でも、歯が動くことがあります。特に、歯が動きやすい矯正治療終了後は、癖や生活習慣による影響も出やすいです。
成長の影響
歯並びに大きな影響を与えるあごの骨は、6歳から12歳の間に急速に成長します。20歳頃には成長が止まるとされていますが、個人差があります。
20歳を過ぎてもあごの成長が続くと、あごの骨の大きさに合わせて調整した歯並びが乱れる可能性があります。
また、あごの骨だけでなく矯正中には生えていなかった親知らずが生えてくる場合もあるでしょう。前にある歯を押すように生えた場合、歯並びを乱す原因となります。
無理な矯正をしたため
矯正治療において、歯をきれいに並べるためのスペースが不足している場合、必要に応じて歯を抜きます。歯を抜いてスペースを確保してから矯正力をかければ、治療がスムーズに進むためです。
しかし、健康な歯を抜くことに抵抗を感じ、抜歯を避けた治療を望まれる方もいらっしゃいます。スペースが不足しているにも関わらず歯を無理に配置すると、後戻りが発生しやすいです。
また、骨格の問題で歯並びや噛み合わせに問題がある場合、必要な外科手術を行わずに矯正治療を進めると後戻りしやすくなります。
歯周病による影響
歯周病は、歯と歯ぐきの境目にある歯周ポケットに細菌が侵入して、歯を支える組織に炎症を起こす病気です。症状が進行すると徐々に歯を支える骨が溶かされていきますが、骨が不安定な状態になると、矯正で整えた歯が動くことがあります。
インビザライン矯正後に後戻りが起こったときの対処法
インビザライン矯正後に後戻りが起こった時は、どのように対処したらよいのでしょうか。矯正治療後の歯が動きやすいことをご存じであれば「自分で歯を押せば後戻りを治せるのではないか」と思われるかもしれません。
しかし、それはやめましょう。指や舌を使って長い間押し続ければ歯は移動するかもしれませんが、力のかけ具合や向きを誤れば、歯の寿命を縮めたりかえって歯並びが悪くなったりするリスクがあります。
このようなことを避けるためにも、後戻りを放置してさらに歯並びが悪化することを防ぐためにも、後戻りの兆候に気づいた時には早急に歯科医師に相談しましょう。後戻りが軽度の場合は、リテーナーや最後に使用していたマウスピースの再使用が指示されます。
状況によっては、追加の矯正治療が必要となるでしょう。
インビザライン矯正後に後戻りが起こるのを予防する方法
インビザライン矯正後に後戻りが起きないように予防するには、以下の方法が有効です。
正しくリテーナーを使う
骨が安定して歯並びが定着するまでの間、装着時間や取り扱い方法を守ってリテーナーを適切に使用しましょう。前述したように、矯正治療後6ヶ月間は最も後戻りしやすい時期といわれています。その期間はほぼ1日中リテーナーを装着した状態で過ごす必要があります。
その後の保定期間も長期になりますが、ご自身の判断でリテーナーの使用を止めることは避けてください。歯科医師の指示に従ってリテーナーの使用を続けましょう。
歯並びに影響が出る癖を治す
片側だけで物を噛む、頬杖をつくなど、歯並びに悪影響を及ぼす癖は後戻りの原因になるため改善しましょう。意識できない睡眠中に行っている歯ぎしりや食いしばりには、ナイトガードの使用が有効です。
歯ぎしりや食いしばりは、歯並びに影響するだけでなく、歯自体やあごにも大きな負担をかけます。歯の摩耗や顎関節症などのトラブルを引き起こす原因となるので、ナイトガードを使用して歯やあごへの負担を軽減しましょう。
毎日のセルフケアを徹底する
後戻りの一因として歯周病をあげましたが、虫歯も進行すれば抜歯が必要になったり、大きく歯を削らなくてはいけなくなったりします。虫歯も歯周病も、歯並びに影響を及ぼすといえるでしょう。
虫歯や歯周病を引き起こす原因菌は、お口の中のプラークの中にいます。毎日の歯みがきでセルフケアを徹底してプラークを残さないようにすれば、虫歯・歯周病予防になります。インビザライン矯正後の後戻りを防ぐことにもつながるでしょう。
定期検診を受ける
矯正治療が終了した後も定期的に歯科医院を受診することで、歯の位置やリテーナーの状態をチェックしてもらうことができます。後戻りの兆候だけでなく、虫歯や歯周病などの問題も早期に発見できるでしょう。
迅速に対応できれば、歯並びへの影響を最小限に抑えられます。
患者様の声
当院で治療を受けた方のお声をご紹介します。
マウスピース矯正を受けている方の口コミ
こちらでマウスピースの歯列矯正を始めて1ヶ月と少し経ちました。最初は違和感があったり、喋りにくかったりもしましたが、痛みは少なく2週間くらいで着ける事に慣れてきました。
マウスピースの付け外しの手間と歯磨き、歯間ブラシをしっかりする必要はありますが、拒否感なく続けられています。初めての矯正なので、最初は不安はありましたがスタッフの方々の丁寧な説明と施術により、不安なく出来ておりライフ歯科に来てよかったと思いました。
歯列矯正と定期検診を受けている方の口コミ
歯列矯正と定期検診でお世話になっています。スタッフの方はとても感じが良くて、院内の雰囲気もよく、清潔感があります。
先生は当然のことですが、ここは衛生士さんのレベルがとても高いと感じます。どの衛生士さんにあたっても、いつも丁寧に診てくれて、安心感があります。
引っ越してきて1年以上探して、みつけたクリニック！そこで思いきって歯列矯正もすることできて良かったです。歯ってとても大切だし、長く通い続けたいと思っているオススメできるクリニックです。
まとめ
インビザライン矯正は目立ちにくく痛みも少ないため、多くの患者様に選ばれる人気の矯正方法です。
しかし、治療後に歯が元の位置に戻る後戻りと呼ばれる現象が発生することがあります。後戻りを防ぐためには、リテーナーを正しく使用することが最も重要です。
生活習慣や癖を見直し、歯周病や虫歯を防ぐために毎日のセルフケアを徹底することも、後戻りの予防には効果的です。
インビザライン矯正後に後戻りが起きてしまった場合は、早急に歯科医師に相談し、適切な対処を受けることが重要です。インビザライン矯正だけでなく、歯科治療は症状が改善したらそこで終了ではありません。
後戻りのように後から生じるトラブルもあるため、ケアを続けましょう。
インビザライン矯正を検討されている方は、兵庫県西宮市にある医療法人社団 西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。
当院では、小児矯正・成人矯正をはじめ、虫歯治療や歯周病治療、マタニティ歯科、ホワイトニングなどにも力を入れています。ホームページはこちら、WEB予約やLINE予約相談もお受けしておりますので、ぜひご覧ください。
小道俊吾
