こんにちは。兵庫県西宮市にある医療法人社団 西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
歯列矯正の選択肢として年々人気が高まっているインビザラインですが、インビザラインは歯列矯正のなかでも非常に難しい治療だといわれています。さまざまな失敗例があることもたしかです。せっかくお金をかけて歯並びを治すのであれば、失敗は避けたいでしょう。
今回は、インビザラインで失敗したケース6例を解説します。失敗を回避するための方法もご紹介しますので、インビザラインを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
もくじ
インビザラインとは?
インビザラインは数あるマウスピース矯正のなかの一つであり、世界中で使用実績のある矯正装置です。歯科先進国アメリカのアライン・テクノロジー社が開発し、マウスピース矯正のパイオニアといえます。
透明で薄いマウスピース装置を段階ごとに交換しながら歯を動かしていきます。マウスピースは取り外しができるため、食事や口腔ケアがしやすいです。周囲に歯列矯正をしていることに気づかれにくく、ワイヤー矯正のように見た目も気にならないためインビザラインを希望する方が増えています。
インビザラインで失敗したケース6例!
インビザラインで失敗した代表的な6例をご紹介します。
- 出っ歯になった
- 噛み合わせが悪くなった
- 歯茎が下がった
- 虫歯・歯周病になった
- 後戻りが起きた
- 理想の歯並びにならなかった
詳しく解説します。
出っ歯になった
出っ歯はインビザラインを非抜歯で行った場合にみられる失敗例です。
インビザラインでは、抜歯をせずに歯の間を削る処置(IPR)と奥歯をうしろに動かす治療(臼歯遠心移動)によりスペースを確保することがあります。
しかし、当初の計画よりもスペースが確保できずに歯を並べるスペースが足りなくなった場合、前に張り出すように歯を並べるしかありません。その結果、もとの歯並びよりも前歯が前に出てしまい、出っ歯になることがあります。
噛み合わせが悪くなった
歯列矯正は見た目の美しさだけでなく、同時に適切な噛み合わせを作り出す目的があります。
しかし、インビザライン治療を行う歯科医師の知識・経験が不足していると、治療計画どおりに歯が動かず、噛み合わせが整わない場合があるのです。歯並びは美しくなったものの、噛み合わせが悪化するケースがあるでしょう。
インビザライン治療を成功させるためには、歯科医師の豊富な知識と経験が必要です。歯科医院選びは慎重に行いましょう。
歯茎が下がった
インビザラインで歯を動かすと、歯根吸収が起こり、歯茎が下がることがあります。歯列矯正は歯に弱い力をかけて、歯を支えている骨の吸収と再生を繰り返しながら歯を動かします。
しかし、無理に力をかけすぎると骨の再生が間に合わなくなり歯根吸収が起きる場合があるのです。歯茎が下がることにより歯が長く見える場合や、歯の根にブラックトライアングルという黒い三角形のすき間が出現する場合があります。
虫歯・歯周病になった
インビザラインで使用するマウスピースは取り外しができるため、ワイヤー矯正に比べて虫歯や歯周病になりにくいです。
しかし、歯磨きをせずにマウスピースを装着している場合や、マウスピースを装着したまま飲食する習慣がある場合は虫歯や歯周病のリスクが高まります。歯並びはきれいになったものの、虫歯の治療跡が増え、歯茎が弱るとインビザラインを後悔することになるでしょう。
また、インビザラインの治療中に虫歯や歯周病になった場合、虫歯や歯周病の治療が優先されるためインビザライン治療を中断しなければなりません。虫歯の大きさによっては治療が長引き計画どおりにインビザライン治療が進まなくなる可能性があります。
インビザラインの治療中は、虫歯や歯周病を予防するためにも、今まで以上に丁寧に口腔ケアをしましょう。
後戻りが起きた
インビザラインで歯並びが整ったあとも、歯並びの後戻りを防ぐために保定期間が必要です。リテーナー(保定装置)を装着して整った歯並びを維持します。一般的に歯列矯正を行っていた期間と同じ期間、リテーナーを装着する必要があるといわれています。
インビザライン治療が終わると気が抜けてリテーナーの装着を疎かにしてしまいがちです。歯はもとの位置に戻ろうとする力が働くため、リテーナーの装着を怠ると歯並びの後戻りが起きます。後戻りが起きて後悔する方も少なくありません。
理想の歯並びにならなかった
理想の歯並びにならなかった場合、失敗したと感じるのは当然のことでしょう。まだ少しすき間やガタつきが残っているなど、最後の微調整ができていないケースで不満を感じる方が多いです。
インビザライン治療は最後の細かい調整が難しいといわれています。なかには最後にワイヤー矯正で調整するケースもありますが、歯科医師の技術力によって歯並びの仕上がりは左右されるのです。
また、理想の歯並びを手に入れるためには、マウスピースの使用方法や装着時間を守らなければなりません。歯科医師だけでなく、矯正をする患者様側の努力が必要不可欠なのです。
インビザラインの失敗を回避するためには
インビザラインの失敗を回避するために、以下の6つのことに気をつけましょう。
- 使用方法と装着時間を守る
- マウスピースと歯のお手入れをしっかり行う
- 抜歯やIPRの必要性を確認する
- 実績・経験が豊富な歯科医師を選ぶ
- リテーナーは決められた期間装着する
- 矯正中の不具合はすぐに歯科医師に相談する
詳しく解説します。
使用方法と装着時間を守る
インビザライン治療が失敗する大きな原因の一つはマウスピースの装着時間不足です。マウスピースは基本的に食事や歯磨きをするとき以外は装着しなければなりません。
1日20〜22時間以上装着することで適切な効果が得られます。装着時間を守らないと歯が計画どおりに動かず、矯正が失敗する可能性があるのです。また、マウスピースを歯列にしっかりフィットさせて装着できていない場合も、歯が計画どおりに動かない原因になります。
マウスピースの使用方法と装着時間はインビザライン治療の効果を左右する重要なポイントです。インビザラインの失敗を防ぐためにも、マウスピースの使用方法と装着時間は守りましょう。
マウスピースと歯のお手入れをしっかり行う
インビザラインで使用するマウスピースは取り外しができるため、ふだんどおりに歯磨きができます。
しかし、マウスピースと歯のお手入れを怠ると、マウスピース内で菌が増殖し、虫歯や歯周病になる可能性があるのです。前述のとおり、虫歯や歯周病になると虫歯や歯周病治療のためにインビザライン治療を中断しなければなりません。その結果、計画どおりに矯正治療が進まなくなるのです。
虫歯や歯周病を予防するためにも、歯磨きやマウスピースのお手入れを毎日しっかりと行い、口の中を清潔に保ちましょう。
抜歯やIPRの必要性を確認する
歯列矯正では歯を並べるスペースを確保するために抜歯やIPR(歯の間を削る処置)が必要なケースがあります。健康な歯を抜歯することや削ることに抵抗を感じる方は少なくありません。
しかし、スペースが不十分なまま治療を進めてしまうと、結果的に歯がきれいに並ばず、出っ歯になる場合や噛み合わせが悪くなる場合があります。抜歯やIPRの処置の必要性については、事前にしっかり確認しましょう。
実績・経験が豊富な歯科医師を選ぶ
インビザライン治療は歯科医師の知識や経験の差によって結果が大きく左右されます。多くの症例に触れてきた歯科医師は、それぞれの患者様に合った治療計画を立てることができ、的確な治療の提案をしてくれるでしょう。
いくつかの歯科医院でカウンセリングを受けて比較検討するのもよいでしょう。インビザラインは長期間の治療になるため、信頼できる歯科医師を選ぶことが大切です。
リテーナーは決められた期間装着する
インビザラインに限らず歯列矯正は、歯並びが整ったあとに歯並びを安定させるリテーナーを装着することが非常に重要です。リテーナーを決められた期間正しく装着しないと歯並びは後戻りを起こします。
矯正期間が終了すると気が抜けてしまい、リテーナーの装着を疎かにする方も少なくありません。インビザライン矯正を無駄にしないためにも、リテーナーは決められた期間、適切に装着しましょう。
矯正中の不具合は歯科医師にすぐに相談する
インビザライン治療中に不具合や違和感が生じた場合は、すぐに歯科医師に相談しましょう。
インビザライン治療中は、マウスピースの破損や適合の悪さによる痛みなど、さまざまなトラブルが起こる可能性があるのです。早期に対処すれば、治療の遅れやさらなる問題の発生を防ぐことができます。疑問や質問はその都度歯科医師に確認することで、安心してインビザライン治療を進められるでしょう。
患者様の声
マウスピース矯正を開始して1年が経過します。この年齢でも歯は動き、理想的な歯並びに近いところまで来ています(親知らず含め5本抜歯しました)。ここまで治療を続けてこられたのは、臆することなく後押ししてくださった先生方や、いつも明るく励ましながら処置してくださる歯科衛生士さんのおかげです。受付の方々の対応もいつも丁寧ですし、毎回気持ちよく診察に通わせてもらっています。
歯科医院へ行くのが怖かったのに今は毎週通うことが苦にならずに通えています。それは先生を始めとするスタッフの皆さんが優しく親切であること。気になることは相手がDr.なのに聞くことができること。丁寧に応対してくださいます。スタッフさんはいつも笑顔で気配り、心配りが徹底しています。そして自分の職業柄、衛生面の管理が気になるのですがそこはとてもきっちりしていること、最先端の治療であることです。自分の家族も含めこれから先、歳を重ねても通えるなと思う地域に密着した歯科医院だなと思います。
まとめ
今回は、インビザラインで失敗した6つの例と、失敗を回避する方法について解説しました。
インビザライン治療の失敗は、正しい使用方法が守られていないことや、歯科医師の技術不足が原因で起こります。経験と実績が豊富な歯科医師のもと、正しい方法で治療を進めることでインビザラインの失敗を防げます。もちろん患者様の努力は必要不可欠です。
せっかくのインビザライン治療が失敗に終わらないように、信頼できる歯科医院でルールを守ってインビザライン治療を始めましょう。
インビザラインを検討されている方は、兵庫県西宮市にある医療法人社団 西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。
小道俊吾