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西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科

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あなたの「その癖」が歯並びを悪くしている!?口腔習癖(こうくうしゅうへき)について

 

こんにちは。兵庫県西宮市にある西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。

歯科衛生士

みなさんは、自分の癖(クセ)に気が付いていますか?

日常生活において、人それぞれに色々な癖がありますよね。

髪を触ったり、目を擦ったり、腕を組んだり、口を触ったり・・・知らず知らずのうちにしていることも多いので、自分ではなかなか気付いていない方も多いと思います。

そんな無意識に行っている日常的な癖が、実は歯並びや噛み合わせを悪くしてしまうこともあるです。

 

今回は「口元の癖とその影響について」くわしくお話ししていきます!

 

1.口腔習癖(こうくうしゅうへき)とは?

口周りの癖

無意識に行っている良くない習慣的行動を習癖(しゅうへき)といい、特に口まわりの習癖のことを口腔習癖といいます。

口腔習癖があると、必ず悪い影響があるという訳ではありません。

しかし、癖を行っている頻度や期間によっては、歯並びが悪くなってしまったり、噛み合わせに異常が生じたり、虫歯や歯周病になりやすくなるなど・・・そのほかにも、矯正治療の妨げや早期後戻りの原因に繋がることがあります。

 

2.習癖の種類と影響

具体的に、口腔習癖にはどのような種類や特徴があり、どのような影響を及ぼすのかご紹介しますね。

 

①吸指癖(きゅうしへき)

指吸い

吸指癖とは、指をくわえて吸引する習慣、いわゆる指しゃぶりのことです。

中でも親指を使った拇指吸引癖(ぼしきゅういんへき)が最も多いと言われています。

指を吸う力によって口の中の圧力が高まり、それが長期間にわたることで、上顎の歯のアーチが狭くなる歯列狭窄や上顎と下顎の噛み合わせがずれて上顎の前歯が前に出てくる上顎前突(出っ歯)や、前歯部の傾斜、上下前歯で指を咥えることで奥歯で噛んだ時に上下の前歯が噛み合わなくなる開咬(オープンバイト)などを引き起こすことがあります。

吸指癖は成長過程において自然な行為であり、3歳までは無理にやめさせる必要はありません。

しかし、4歳を過ぎても指しゃぶりをしている場合には、噛み合わせへの影響が大きくなりますので、積極的にやめさせた方が良いといわれています。

また、指以外にもタオルや毛布、鉛筆などのものを噛む癖も歯並びや顎の成長に影響を及ぼすと考えられていますので、注意しましょう。

 

 

②弄唇癖(ろうしんへき)

唇を噛む

弄唇癖には、唇を歯で噛んでしまう咬唇癖(こうしんへき)と唇を吸い込むことが癖になっている吸唇癖(きゅうしんへき)があります。

特に上顎の前歯で下唇を噛んだり吸ったりする場合が多いです。

 

下唇を噛んだり吸ったりすることで、上顎の前歯が前方に傾斜、下顎の前歯が内側に傾斜してしまい上顎前突になったり、噛み合わせが深くなる過蓋咬合の原因になります。

上唇を噛んだり上下の唇を吸ったりする場合には、受け口ともいわれる反対咬合(下顎前突)の原因になります。

 

集中している時や本を読んでいる時、何かに夢中になっている時によく見られ、吸指癖から弄唇癖に移行するとも考えられています。

 

  

③舌癖(ぜつへき)

歯を触る

舌癖とは、舌を前に突き出す舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)、歯の隙間や抜けた歯などが気になり触って舌を動かして遊んでしまう弄舌癖(ろうぜつへき)、前歯で舌を噛んでしまう咬舌癖(こうぜつへき)のことをいいます。

日常的に行っている人もいれば、ものを飲み込む時(嚥下時)のみ行っている人もいます。

乳歯が抜けて気になって舌で触るのが癖になってしまったり、口内炎などの傷口を舌でいじったり、口呼吸や指しゃぶりを長く続けていることで現れることがあります。

 

舌癖を続けていると、舌で前歯が押されるために上顎前突や開咬、上下が不正に交叉した交叉咬合、歯と歯の隙間が空いている空隙歯列(すきっ歯)の原因になります。

 

また、このような舌の癖があると、噛み合わせだけでなく発音障害を引き起こし、サ行・タ行・ナ行・ラ行などがハッキリ発音しにくくなり、不明瞭で舌たらずなしゃべり方になることがあります。

さらに、不自然な顎の動きが習慣化すると、顎関節に悪影響を及ぼす可能性もでてきます。

 

 

④異常嚥下癖(いじょうえんげへき)

飲み込む

舌癖の中でも特に、食べ物や飲み物を飲み込む嚥下時のみに現れる舌癖のことを異常嚥下癖といいます。 

通常、ものを飲み込む時には舌が後方へ下がりますが、異常嚥下癖がある場合は舌を前方へ突出するといった正反対の動きをします。

この動き方は本来授乳期の乳児が母乳を飲むために必要な動きで、卒乳後も舌を前に出す癖が継続することで悪い癖として残ってしまう場合があります。

異常嚥下癖が習慣化すると上顎前突や開咬、発音障害の原因になったり、矯正治療中の場合には治療の妨げや治療後の早期後戻りの原因になったりします。

 

 

⑤咬爪癖(こうそうへき)

爪を噛む

歯で爪を噛む癖のことをいいます。

学童期に増加する口腔習癖といわれていて、3歳以下の低年齢児にはあまりみられません。

咬爪癖は不安や退屈、過度な緊張などの心理的な要因で生じることが多く、爪を噛むことで爪の端がギザギザになったり深爪になることもあります。

 

咬爪癖があると、爪を噛む部分の上下の歯が噛み合わなくなり開咬や上顎前突を引き起こしたり、上顎前歯の真ん中に隙間ができる正中離開、前方での噛み癖が起こることによって反対咬合を助長することがあります。

また、矯正治療中の場合、治療の妨げになることもあります。さらに、硬い爪を咬むことで、前歯の先端がすり減ってしまうことや成長期の歯や歯茎に余計な負担がかかってしまうことがあります。

 

 

⑥口呼吸(こうこきゅう)

口呼吸

口腔習癖でいう口呼吸とは、鼻風邪などで一時的に口の呼吸となっている場合ではなく、無意識的に口で呼吸をする癖がある人のことをいいます。

花粉症、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などの慢性的な鼻の病気により鼻がつまり、鼻呼吸がしにくいために口呼吸となることもあります。

 

口呼吸をしている人は、長時間お口が開いたままになっているため、下顎と舌の位置が常に下がっている状態になります。

そのため、お口の周りの筋肉である口腔周囲筋や顎の成長・発育に悪影響を与えて、上顎の幅が狭くなり上顎狭窄歯列や開咬、上顎前突、交叉咬合の原因になります。

 

さらに、口が開けっ放しのために口腔内が乾燥して細菌が増えることで、虫歯や歯周病、口臭などのトラブルが起きやすくなります。

また、睡眠障害を伴うこともあります。

習慣性の口呼吸は習癖の指導や意識的なコントロールで改善することがありますが、歯並びに問題がある場合は歯科矯正治療、鼻咽頭疾患によるものは耳鼻咽喉科での対応が必要となります。

 

態癖(たいへき)

頬杖

顔面に外から悪影響を与える力を加える生活習慣を態癖と呼びます。

態癖には、頬杖をつく、うつ伏せ寝、横向き寝、食事中にどちらか片方の歯で噛んでしまう片側噛み、姿勢が悪い、歯ぎしりなどがあります。

態癖は、顔面非対称、顎変位、交叉咬合等の不正咬合、顎関節症、全身の歪みにもつながるといわれています。

 

特に頬杖やうつ伏せ寝は、毎日同じような姿勢を複数回、長時間にわたり行うことで、頭部の重みもプラスされ、かなりの圧が顎や顔にかかることになります。

このような負荷が成長発育期に加わっていると、噛み合わせが悪くなるだけでなく、顎が横にずれて歪み顔を非対称に変形させてしまう原因にもなります。

習慣になっている姿勢には個人差があり、影響も異なるので、必ずしも顎骨への異常が表れるとは限りませんが、もし顔の変形が起こってしまった場合は、矯正治療で治すのも困難になりますので、十分に注意が必要です。

 

また、態癖の多くは歯並びに悪影響を与えるだけではなく、顎関節症や全身の不調の原因につながる可能性もあります。

姿勢の歪みは噛み合わせの歪みに繋がり、反対に噛み合わせが悪いことで全身の歪みを引き起こすこともあるのです。

態癖を改善すると、歪みによる筋肉の凝りや疲労、体の不調等の症状の軽減や予防できることがあります。

 

 

3.最後に

歯科医師

上記のように、日常生活でのお口まわりの習慣は、歯並びや噛み合わせ、口腔機能、形態、さらに全身の健康にも深く関わっていることが分かります。

癖というものは無意識なものがほとんどですので、大人になっても自分では気付かないことが多いです。

口腔習癖はお口の様々なトラブルに繋がりますが、意識的なコントロールで改善することもできます。

自分に癖があるかどうか気になる方は、ご家族やお友達、周りの方に聞いてみても良いかもしれませんね。

 

ご家族、特にお子様に、成長に悪影響のある口腔習癖がみられる場合、改善するためには本人の自覚とともに家族の協力が必要になります。

やめた方が良い理由をしっかり説明して、自分自身でやめたいと思えるように声かけ等のサポートをしてあげてください。

 

生活習慣や日常生活での姿勢等を見直し、口腔習癖をなくしていくことができれば、不正咬合や噛み合わせの異常の予防・改善が期待できます。

意識をして気をつけていきましょう。